三重の匠が創り出した世代を超える住まいのリノベーション事例

三重の匠が生んだ世代を超えるリノベーション

三重県にある株式会社舘建築は、昭和29年から続く歴史ある建設会社で、その匠の技が光る断熱リノベーションの実例を公開しました。今回紹介するのは、世代を超えて住み継がれる家の再生物語です。

三代の技術と情熱が育む家

同社の三代目、舘巧氏は地域に根ざした建築家であり、彼の技術や情熱は代々受け継がれています。家づくりの際には、先代からの教えを大切にしつつ新しい技術を取り入れることが求められます。

この度行われたリノベーションの依頼主はM様で、彼のお宅に住む予定の娘さんのために部分的なリフォームを希望していました。しかし、単に部屋を改装するだけでは不十分だと感じた舘氏は、家全体の断熱改修を提案しました。

空き家問題への新たなアプローチ

家はM様のご両親が住まれていたもので、空き家問題が深刻化する中、孫が新たな住まいとして住み継ぐケースは珍しいと言えます。舘氏は、古い日本家屋特有の断熱性の低さが、冬の寒さや暖房費に大きく影響することを懸念しました。

初めは2階を改装する計画だったのですが、補助金を利用し全体を断熱改修する方向性へと変わりました。これによって、家全体が快適な空間として生まれ変わり、現代的な生活にも対応できる住宅に進化しました。

住み心地の向上と料金の真実

M様の娘さん夫婦が入居してから2年が経ち、その住み心地について話を伺ったところ、冬の寝床では羽毛布団一枚で十分暖かく、夏は帰宅後すぐに涼しさを感じることができると喜んでいました。この快適さは、断熱リフォームの賜物です。

M様自身も自宅の一部を断熱リフォームしたと聞き、家族全体がこの新しい住環境に満足している様子が伝わってきました。

ご先祖様との不思議な縁

さらにこの家を建てたのは舘氏のおじい様であり、M様と舘氏はこの事実を後に知ることになります。先代の努力と技術が今の家を支えていることを感じる瞬間があり、家の歴史、先祖との縁を感じる感慨深い体験となりました。

建てた工務店の孫がその家を再生し、住むのはまた別の孫。この循環に、両家の先代も喜んでいることでしょう。

現代のニーズとリノベーション

今回のリノベーションでは、古い家をそのまま残した部分もあり、特に仏壇のある和室は法事に利用されるためそのまま保存しました。このように、過去との繋がりを大切にしつつ、現代的な快適性を追求した点が特徴です。

また今のZ世代は、古い建物や文化に興味をもつ傾向があり、カフェや店舗などにリノベーションした事例が増えています。これは日本の空き家問題に対する新しい視点を提供しているのかもしれません。

古いものを現代風に生まれ変わらせる事例は、リノベーションの魅力を引き立てており、住み継ぐことの良さを再認識させてくれます。これからも、舘建築のような匠が地域を支えることを願ってやみません。