CancerX Summit 2020
2020-02-04 10:00:06
がん経験者や専門家が集合、がんの社会課題を考える「CancerX Summit 2020」
「CancerX Summit 2020」が描くがんに対する新たな未来
がんという言葉は、私たちに多くの不安を与えます。そんな中、一般社団法人CancerXは「がんと言われても動揺しない社会」を目指し、2月2日に「CancerX Summit 2020」を開催しました。このイベントの目的は、がんに関する社会的課題について思考を深め、解決策を探ることです。
イベントの概要
本年のサミットには、昨年を上回る約500名の参加者が集まりました。参加者の中には、医療従事者やがん患者、企業関係者、行政関係者など、多様な背景を持つ方々が含まれています。テーマは「Break the Limits」。このフレーズには、既存の枠組みを超えた新たな発想や連携が求められていることを示唆しています。
多彩なセッションが展開
サミットでは、専門家による講演やパネルディスカッションが行われ、全14のセッションが開催されました。特に注目を集めたのは、死生観をテーマにした『CancerX スペシャル いのち ~生きるとは?~』のセッションです。このセッションでは、多様な視点を持つ登壇者が集まり、いのちや死について率直な意見を交わしました。いのちの価値を見直し、コミュニティや家族、医療の重要性について議論を深める機会となりました。
がん治療中の患者であり緩和ケア医の大橋洋平さんもこのセッションに参加し、「今日で301日」という表現を通して、余命を知ることのプレッシャーから解放される考え方を共有しました。このように、一人ひとりがどのように生きることを選択し、支え合っていけるかが重要というメッセージが散見されました。
企業参画型セッションの新設
今年のサミットでは初めて企業参画型の分科会を設け、AIやゲノム、VRなど最先端のテーマについても議論も行いました。テクノロジーの進展する現在、がん医療にどのように革新をもたらすか、参加者同士で意見を交わし合うことで、新たなアイデアが生まれました。
Worldwide Action on World Cancer Day
2月4日の「World Cancer Day」には、サミットの代表理事である上野直人氏が海外からのメッセージを送信。世界中で行われる約400のイベントの一部として、このサミットも重要な役割を果たしていることを強調し、個々の行動がコレクティブインパクトを生むことを再確認しました。
調査結果を通じた意識の可視化
このサミットに関連する形で、CancerXは全国調査を実施しました。調査では、がんについての認知度が低い現状や、終末期においての思いの共有が少ないことが明らかになりました。調査結果はオープンソースとして公開されており、誰でも利用可能です。このように、意識の可視化も重要な課題となっており、今後の活動に生かされるでしょう。
おわりに
「CancerX Summit 2020」は、参加者同士のネットワーキングや、異なる視点からの意見交換を通じて、多様ながん問題に対する理解を深める貴重な場となりました。がんと言われても動揺せず、協力しながら明るい未来を目指すための一歩を踏み出そうとする意志が、会場のあらゆる場所から感じられました。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人 CancerX
- 住所
- 千葉県松戸市古ケ崎941-7
- 電話番号
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