自動運転トラック実験
2021-11-12 14:00:04
自動運転トラックが生み出す未来、神戸製鋼所とUDトラックスが実証実験開始
日本の物流業界は深刻なドライバー不足に直面しており、少子高齢化がその背景にあります。国立社会保障・人口問題研究所によると、生産年齢人口は2030年には6773万人、2060年には4418万人と予測され、これは2010年比で45.9%の減少を示しています。このように労働力不足が社会全体の課題となっている中、UPトラックスと神戸製鋼所は自動運転トラック技術を用いて解決策を模索することに決めました。
自動運転技術のレベル4は、特定の条件下で完全な自動運転が可能な技術であり、UDトラックスはこの技術を使った大型トラックの実証実験を、神戸製鋼所の加古川製鉄所内で行うことに合意しました。この実験では、トラックの運搬役として水砕スラグを運搬するコースの一部が選ばれています。実行される予定は2022年下半期で、具体的なルートが定められています。
この取り組みは、業界全体が抱える労働力不足を克服するための重要な一歩になると期待されています。特に製鉄所の運営には24時間365日体制が求められ、ドライバー不足による運営への影響は深刻です。自動運転技術を生かして、安定した運搬と効率化を図ることが、両社の共通目標です。
この実証実験は、2019年にUDトラックスが実施したトラックの自動運転テストに続くもので、当時も限定的な領域で反復作業の自動化に成功しました。今回の実験が進展すれば、さまざまな製造業において自動運転トラックの導入が進むことで、持続可能な運営が実現されるでしょう。
さらに、両社はともにデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、神戸製鋼所は顧客を中心にしたバリューチェーン改革を目指し、最新のデジタル技術を活用した自動化を進めています。自動運転技術の導入は、その戦略の一環であり、物流の効率化を図ることで、製造現場の労働力不足の解消にも寄与することが期待されています。
今後の展望としては、実証実験の成果を基に、さらに自動運転ソリューションの実用化を検討し、物流現場のスマート化を実現していく考えです。ドライバー不足の解消、運搬業務の効率化、そして作業者の負担軽減を目指すこの取り組みが、未来の物流業界のスタンダードとなることが期待されています。
会社情報
- 会社名
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UDトラックス株式会社
- 住所
- 埼玉県上尾市壱丁目1番地
- 電話番号
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