曲面ミラー測定技術
2026-07-06 14:13:22

産総研が開発した曲面ミラー高精度測定装置の新技術

産総研が開発した新しい曲面ミラー測定装置



産業技術総合研究所(以下「産総研」)の研究チームは、非常に高い精度で曲面ミラーの形状を非接触で測定する新しい装置を開発しました。この技術により、精度はなんと2ナノメートルに達し、EUV露光装置や放射光施設などに使用される高度な光学素子の評価がこれまで以上に容易になります。

技術の背景


EUV露光装置や重力波検出装置においては、曲面ミラーがその性能を決定づける重要な要素となります。これらのデバイスでは、ミラーの絶対的な形状を把握することが必須です。しかし、従来の手法では、表面を傷つけない非接触による測定が難しく、特に数ナノメートルレベルの精度が求められています。このため、非接触でありながら高精度な測定方法が求められていました。

新技術の特徴


今回の新たな測定技術は、反射光の角度を高精度で測定できるシステムに基づいています。この技術では、曲面上の各位置での局所的な表面の傾き、すなわち局所角度を精密に探ることで、ミラーの絶対形状を導き出します。また、自己校正型ロータリーエンコーダー(SelfA)という新しい角度測定装置を組み込むことで、従来の方法では困難だった範囲での測定が実現されています。

装置の基本構成は、光角度検出ユニット、ペンタミラー、直動ステージ、回転ステージで成り立っています。光が測定対象に照射され、反射して戻る光の角度を測るこの仕組みは、広範囲の正確な測定を可能にしています。さらに、SelfAの導入により、精度が飛躍的に向上しました。

技術開発の成果


開発した装置を用い、曲率半径5メートルの光学素子について試験的な測定を行ったところ、 표준偏差がわずか0.46 nmと、1 nm未満の安定した数値で測定を成功させました。これにより、世界最高精度の測定が実現したと言えるでしょう。

今後の展望


産総研は、今後曲面ミラーの絶対形状測定サービスの提供や他の研究機関との共同研究を進めていく予定です。さらなる技術の高度化を図り、社会実装を目指しています。

この新技術は、光学素子が重要な役割を果たすEUV露光装置や放射光施設、天体望遠鏡などさまざまな分野で、将来的な発展が期待されています。


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