ベトナム初の地下鉄が日本の支援を受けて開業！ホーチミン市で新たな旅の形が始まる

ベトナム初の地下鉄が運行を開始

2023年12月22日、ホーチミン市で待望の都市鉄道1号線が開業しました。このプロジェクトは、国際協力機構（JICA）による円借款事業であり、長い年月を経て実現したものです。

開業初日の式典には、多くの重要人物が出席しました。ホーチミン市のグエン・ヴァン・ネン党委書記やファン・バン・マイ人民委員長などが顔を揃え、式典は盛大に行われました。特に、在ベトナム日本国大使館の伊藤直樹大使やJICAの菅野祐一所長もこの歴史的な瞬間に立ち会いました。この都市鉄道は、ホーチミン市の中心部に位置するベンタイン駅から北東部のスオイティエンターミナル駅まで、合計14の駅が設置され、全長は19.7kmに及びます。省エネ効果が期待され、この地域の交通問題解決にも寄与することが期待されています。特に注目すべきは、この鉄道がベトナム初の地下鉄である点です。

日本の技術が融合した安全性と利便性

ホーチミン市の経済発展に伴い、交通渋滞や大気汚染の問題が深刻化しています。本プロジェクトは、これらの問題に対抗するため、日本の鉄道管理ノウハウがフル活用されています。具体的には、安全装置と信号システムが日本の基準に基づいて設置されており、駅には転落防止のためのスクリーンドアが導入されています。また、バリアフリー設計も随所に施され、誰でも利用しやすい環境が整えられています。

地元の期待を背負う新路線

特に、駅ごとに異なるデザインで周囲の街並みに溶け込む地下区間は、多くの市民にとって新たな憩いの場となることでしょう。開業に向けて、ホーチミン市都市鉄道運営会社（HURC1）は、様々なシナリオを想定した安全管理システムや訓練も行っており、その万全の体制が整えられています。JICAでは、運営会社の能力向上を支援しており、日本の厳しい管理基準を取り入れた教育も行われてきました。これにより、住民が安全で快適に移動できる環境が整い、地域経済の発展にも寄与することが見込まれます。

開業式典の後、一般市民もこの新しい交通手段を利用できるようになり、駅には多くのひとが訪れ、祝賀ムードに包まれました。ホーチミン市初の地下鉄が開業したことにより、市民の移動手段が多彩になり、将来的にはより快適な生活が実現することでしょう。

このプロジェクトは、ホーチミン市だけでなく、他の都市部にも波及効果を与えることが期待されます。交通網が整備されることで、経済活動も活性化し、国全体の発展にも寄与するでしょう。JICAは今後も都市鉄道分野における協力を継続し、ベトナムの発展に貢献していく考えです。