自動車サイバーセキュリティの新時代へ向けた二社の提携
2023年6月3日、グローバルなITサービスプロバイダーであるFPTは、イスラエルを拠点とする自動車サイバーセキュリティのリーダー、Cymotive Technologiesと戦略的な提携についての覚書(MoU)を締結した。この合意が意味するところは、自動車業界における急速な変化と、サイバーセキュリティの重要性の高まりである。
強固なパートナーシップの形成
FPTとCymotiveが結成したこのパートナーシップは、両社の技術と専門知識を集結させ、新しいソフトウェア定義車両(SDV)向けのセキュリティソリューションを共同で開発することを目的としている。自動車業界では、接続型の車両が増え、その一方でサイバー脅威が増大しているため、自動車メーカーには継続的なセキュリティ対策が求められる。これに応える形で、FPTはCymotiveの先進的な技術を自社の自動車顧客に提供する。
自動車業界のニーズに応える
この合意は、自動車業界の急速な発展や新しいSDVプラットフォームの登場に対応するための基盤を築く。Cymotiveの持つ深い知識と技術が、FPTの広範なパートナーネットワークによって補完され、共に自動車メーカーやサプライヤーが直面する課題に立ち向かうことを目指す。さらに、両社は包括的なセキュリティ体制を構築し、エンドツーエンドのソリューションを提供することで、より安全かつスマートなモビリティの実現を目指している。
自動車業界の変革を支える
FPTのエグゼクティブバイスプレジデント、グエン・ドゥック・キン氏は、この提携について「自動車業界は根本的な変革を遂げており、この進化にはサイバーセキュリティの確立が欠かせない」と述べ、安全性や自動運転機能を兼ね備えた未来のモビリティを実現する重要性を強調している。
Cymotiveの共同創設者、タミール・ベコール博士も、自社の専門性とFPTのデジタルトランスフォーメーションに関する経験を結び付けることで、車両の安全性を強化し、事業全体の成長を加速させると語っている。
FPTの自動車技術への取り組み
FPTは、約20年間の自動車技術の専門知識を活かし、2023年には自動車技術に特化した子会社を設立。現在、グローバルに5000人以上の自動車ソフトウェアエンジニアを擁し、主要なチップメーカーや部品サプライヤーとの提携を進めている。FPTは国際的な基準や認証を遵守し、高品質な提供体制を維持している。
未来の展望
FPTとCymotiveの提携は、自動車業界の未来を形作る重要なステップである。両社はサイバーセキュリティの強化を通じて、より安全なモビリティの実現を目指し、グローバルな成長を促進する。同時に、この提携は自動車業界における技術革新の推進力になると期待されており、今後の動向から目が離せない。
FPTコーポレーションのプロフィール
FPTコーポレーションは、ベトナムを拠点とする世界屈指のテクノロジー・ITサービスプロバイダーである。設立から30年以上にわたり、効率的で実用的な製品を提供し続けており、2024年には売上24億7000万ドルを見込んでいる。一方、Cymotiveは2016年に設立され、スマートモビリティ市場に特化したサイバーセキュリティソリューションの提供に尽力している。両社の連携によって、自動車業界における革新が進むことが期待されている。