LINE利用実態調査:日本・台湾・タイの違い
LINEヤフー株式会社が発表した最新の調査結果により、日本、台湾、タイにおけるLINEのユーザー利用実態に関する興味深いデータが明らかになりました。特に、台湾のユーザーが持つメッセージ送信数は、日本の約3倍に達し、その背景には様々な要因が見え隠れしています。
調査の概要
この調査は、LINEヤフーが2024年1月から12月の間で実施したもので、日本、台湾、タイのユーザーを対象にしており、定量データ分析とアンケート調査が行われました。調査対象は、LINEで1回以上メッセージを送信したユーザーで、データにはメッセージの形式や送信ユーザーの推定年代が含まれています。
台湾が圧倒的なメッセージ送信数
調査によると、ユーザー一人当たりの月間平均メッセージ送信数は台湾が最も多く、日本の約3倍に達するという結果が出ました。この結果は、台湾でのLINEの利用シーンに特に影響があることを示唆しています。例えば、台湾では高齢層同士での画像の送信が多く見られ、メッセージの形式としてはテキスト、スタンプ、画像が上位を占めています。特に、画像の送信数は日本の約6.6倍にもなり、年齢層の高いユーザー間でのコミュニケーションが活発であることが分かります。
業務利用の拡大
さらに、仕事関係の連絡手段としての利用が台湾やタイでは日本よりも多くみられ、台湾では約1.7倍、タイでは約1.6倍というデータも得られました。日本では主にプライベートな用途に使われる一方、台湾とタイでは業務連絡が頻繁に行われる傾向にあります。このことから、LINEが職場でのコミュニケーションツールとして定着していることがうかがえます。
年齢層による違い
調査では、メッセージ送信の年代別比較も行われました。日本では10代から20代のユーザーが多くテキストメッセージを送信していますが、台湾とタイでは20代から30代が主流でした。特に台湾では、50代以上の年齢層が画像を多く送信することが特徴であり、60代のユーザーに着目すると、同世代への画像送信が日本やタイ보다も高いことが確認されました。これは、年齢層高いユーザー同士の交流の重要性を示しています。
フィールドワークの成果
また、実際に台湾でのフィールドワークも行い、シニア世代がどのようにLINEを利用しているのかを探りました。インタビューの結果、台湾の高齢者は毎朝家族や友人に自作の画像や写真を送る習慣があり、それにポジティブなメッセージを添える文化が形成されています。
LINEの15周年に向けて
2024年には「LINE」がサービス開始から15周年を迎えます。LINEヤフーは、この節目に向けて改めてユーザーの声に耳を傾け、より良いコミュニケーションサービスの提供を目指すとしています。調査結果を活かし、ユーザーのニーズに適した機能の展開が期待されています。
このように、台湾やタイに比べて日本のLINEユーザーの特徴や利用実態は明らかに異なる点が多く、これらのデータは今後のLINEのサービス改善において重要な手がかりとなるでしょう。