シンガポールのMulai社とCaccoがEC不正対策の協力を開始
近年、特に日本国内でのクレジットカード不正利用の被害が増加傾向にある中、シンガポールに拠点を持つMulai Pte. Ltd.(以下Mulai)と、日本のかっこ株式会社(以下Cacco)は、東南アジア地域におけるEC不正対策に関する協業を発表しました。Caccoは日本国内での実績を元に、信頼性の高い不正注文検知サービスを多くの企業に提供しており、今回の提携はさらなる市場拡大を視野に入れたものとなっています。
不正利用の現状と市場のニーズ
Caccoによれば、過去2年間でクレジットカードの不正利用被害は約100億円規模に達しています。この流れは海外にも波及し、Juniper Researchの予測によれば、2028年には世界の不正被害が約12兆9,834億円(910億ドル)にも達するとされています。特にアジア太平洋地域のEC市場は、今後も年平均成長率15%以上で成長すると期待され、副次的に不正行為の増加が懸念されています。これに対して、CaccoとMulaiは共同で効果的な対策を講じることを目指しています。
協業の具体的な取り組み
この提携の中核となるのは、Mulaiのノーコード型のAIを用いた詐欺防止プラットフォームと、Caccoが持つ不正検知技術の融合です。MulaiのCEOトミー・ハルトノ氏は、この協業によりEC市場における不正対策を強化し、特にオンライン詐欺や不正利用の撲滅に大きく貢献できると自信を見せています。
一方、Caccoの代表取締役社長岩井裕之氏も、2012年から培ってきた経験や技術を活かし、成長著しい東南アジア市場において、特にクレジットカードの不正利用対策に取り組んでいくことを表明しています。
両社の成長戦略
Mulaiは、フィンテック関連企業や金融機関に向けて金融犯罪対策を強化するマーケットプレイスのプラットフォームを提供し、さまざまなパートナーシップを展開しています。Caccoにおいても、「未来のゲームチェンジャー」を掲げ、革新的なセキュリティ対策を提供することを目指しています。両社は、オンライン取引が増加する中での安全対策を共に進めることで、今後ますます進化していく市場に対応していく計画です。
結論
シンガポールのMulai社と日本のCaccoが提携し、不正注文検知の強化を図る新たな取り組みが始まりました。この協業は、特に急成長する東南アジアのEC市場において、ユーザーの信頼を確保する上で不可欠な要素となりそうです。一方で、両社は市場の変化に柔軟に対応し、安全性とサービスの向上に繋がる新しい技術を模索し続けるでしょう。今後、どのような成果が生まれるのか、注目が集まります。