卵殻キャップシール
2022-12-06 05:39:15
環境への配慮を実現した新型キャップシール「卵殻キャップシール」登場
近年、環境問題への関心が高まる中、甲子化学工業株式会社とエア・ウォータ株式会社が共同開発した「卵殻キャップシール」が注目を集めています。この新型キャップシールは、LPガスボンベに使用されるもので、廃棄された卵殻および家電リサイクルプラスチックを素材とし、従来のキャップに比べてCO2排出量を36%削減しているのです。
2023年2月から始まるこの取り組みは、日本国内のLPガス事業者で使用される使い捨てキャップを新型キャップに順次切り替える計画が立てられています。これにより、年間のプラスチック使用量を約50%減少させることが期待されています。キャップシールは、ガス充填口をカバーし、充填完了の目印や異物の侵入を防ぐために必要不可欠なアイテムです。この新型キャップシールの開発は、環境配慮の観点から非常に意義深いものと言えるでしょう。
この「卵殻キャップシール」は、しっかりとした設計見直しにより、経済性と環境性の両面でのメリットを生み出しています。具体的には、同社の技術によって、従来のキャップの必要数をなんと5分の1に減少させることが可能となりました。この多回使用が可能な構造は、コスト削減だけでなく、環境負担の軽減につながるものです。
さらに、卵殻プラスチックの利用は、廃棄物を資源として再利用する試みであり、国内における環境問題解決策として注目されています。毎年、日本では約26万トンの卵殻が廃棄され、その多くが産業廃棄物として処理されているのが現状です。このキャップシールに採用されることで、卵殻の有効利用が進められると同時に、他の無駄なプラスチックの使用削減にも寄与しているのです。
実は、プラスチック廃棄物も同様に大きな問題であり、毎年家庭からは約12万トンのプラスチックが処分されています。これらの廃棄物は、課題解決に向けてのリサイクル努力が求められています。新型キャップシールの導入は、こうした日本の現状に対する前向きな一歩となり、循環型社会への実現を促進する大きな力になると期待されています。
エア・ウォーターグループは、全国各地に営業拠点を持ち、特に北海道でのLPガス供給を行っており、「ハローガス」というブランド名で約50万軒の顧客にサービスを提供しています。今後、卵殻キャップシールの切り替えが進むことで、年間の使用数は従来の150万個から30万個にまで減少し、環境への負荷を大幅に軽減する見込みです。
さらには、ホタテや牡蠣の殻の使用も検討されており、卵殻以外の廃棄物をも活用してさらなる環境保護の取り組みに繋げていく意欲を見せています。こうした動きは、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に沿ったものであり、2050年に向けた環境目標に向かって一層の努力が続けられています。
今後も私たちは、企業が取り組む環境への配慮に注目していきたいと思います。この「卵殻キャップシール」の成功例が、他の業界にも広がり、持続可能な社会の実現につながることを心から願っています。
会社情報
- 会社名
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甲子化学工業株式会社
- 住所
- 大阪府大阪市東成区東小橋1-12-20
- 電話番号
-
072-962-6012