デジタルトランスフォーメーションを見据えた新たなパートナーシップ
最近、東京都港区に拠点を持つスパイスファクトリー株式会社と立命館大学デザイン・アート学部が「Design Enablement(デザイン・イネーブルメント)」に関する共同研究を始めた。この取り組みは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)が進展する中、デザインに関わる専門家不足という課題に挑むものである。両者はこの研究を通じて、教育や人材育成における新しいアプローチを模索し、持続可能なデザイン環境を作り上げることを目指している。
デザイン・イネーブルメントの重要性
デザイン・イネーブルメントは、単なるデザインプロセスの見直しではなく、組織内におけるデザインの実装力を誰でも持てるようにすることに重点を置いている。この研究においては、専門のデザイナーを確保する余地がない組織の中で、どのようにデザイン的思考を広めていくかが問われている。市場のニーズに応えるため、多くの企業や行政がデザインの重要性を認識し始めているため、この取り組みの意義はますます高まっている。
研究・連携の詳細
今回の共同研究では、スパイスファクトリーが独自の経営指標「Priority5」に基づき、教育、医療介護、公共、気候変動、ガバナンスといった社会課題におけるDXの実践を行う。また、スパイスファクトリーの執行役員Chief Design Officer(最高デザイン責任者)である本村章氏が立命館大学のデザイン科学研究所の客員研究員に就任予定であり、両者の連携は今後さらに強化されるだろう。
組織内でのデザイン思考の分散
組織におけるデザインの実装力の向上に向けた具体的な方法としては、以下の三つのアプローチが考えられる。
1.
ひきだす(Pulling): 組織内の人々が持つ文脈や関心を対話を通じて引き出し、共創する。
2.
つたえる(Pushing): デザインに関する知識を講義やガイドラインを通じて広め、形式知としてのデザイン知識を伝える。
3.
みせる(Demonstrating): 実践の共有を通じて、暗黙知としてのデザインを組織内で流通させる。
これにより、デザインが特定のスキルとしてではなく、組織内の一般的な文化として根付くことを目指す。
未来の展望
今後、スパイスファクトリーは理論と実践を融合し、社会課題の解決に向けてDXを推進していく。研究成果は学会や実務者向けイベントを通じて広く発信される予定だ。これにより、公共や行政の領域における価値創出や組織変革を支援し、デザイン・イネーブルメントの理念を社会全体へと広める可能性を秘めている。
この新たな連携は、デザインと社会の関係を次の段階へと進展させる重要な一歩となることが期待される。今後も両者の活動から目が離せない。
参考情報
具体的な進捗については、スパイスファクトリーの公式ウェブサイトや立命館大学のニュースページからアクセス可能であり、さらなる詳細が随時更新されていく予定だ。