トリナ・ストレージが挑んだ住宅用蓄電システム
2023年10月31日、トリナ・ストレージはその革新的な住宅用蓄電システム「寒冷地次世代住宅用電池システム」において、一般財団法人電気安全環境研究所(JET)から「JIS C 4441プロパゲーション試験認証」を取得した。これは、海外メーカーとして初めての快挙であり、同社の高い信頼性と安全性が改めて証明された瞬間だ。
認証取得までの道のり
トリナ・ストレージは2020年から日本市場に進出し、リチウムイオン蓄電池の開発と普及に注力してきた。その結果、今年のPV EXPOで発表された「寒冷地次世代住宅用電池システム」が、今般の認証を取得する運びとなった。この試験では特に、蓄電システムが火や熱に対してどれほど耐性を持っているか、また熱暴走が発生した際のリスクを評価された。
耐プロパゲーション性能の検証
認証試験はトリナ・ストレージの中国江蘇省にあるラボで行われた。試験では、内部の単電池に対して強制的に熱暴走を引き起こし、それに伴う発火リスクを評価した。その結果、発火が発生した場合でも、蓄電システムの外部には火が広がらず、外部のケースが破裂することもなかったという。
観察結果によると、試験開始から8時間後には内部の最高温度が室温プラス10℃に収まっており、極めて低い温度で抑えられたことが確認された。この結果は、蓄電システムの材料や構造物の優れた耐久性と、家屋への火災リスクを最小限にする能力を示している。
安全性への注力
トリナ・ストレージは、業界内での安全性確保を重視し、設計段階から厳密な試験を実施している。「寒冷地次世代住宅用電池システム」も、圧壊試験や24時間過電圧試験、釘刺し試験を楽々クリアし、その安全性を確保している。家庭で使用される蓄電システムとしては、耐プロパゲーション性能の認証取得は特に重要であり、これにより火災リスクを抑えることができる。
未来への展望
トリナ・ストレージは、今後も地域パートナーと協力し、日本市場向けのJET蓄電システム認証を推進する方針だ。また、2025年春にはシステムとして市場に展開し、安全で信頼できる家庭用蓄電ソリューションの提供を計画している。これにより、より多くの家庭が安心してトリナ・ストレージの製品を利用できることになりそうだ。
企業の背景
トリナ・ストレージは、トリナ・ソーラーの一部であり、エネルギー貯蔵に関する幅広い研究と開発を進めている。同社は、数々の国際的な認証を取得し、業界内での存在感を確立している。電力システム改革を支援し、持続可能な未来を目指す戦略が進められているのだ。
最後に
トリナ・ストレージの取り組みと今回の認証取得は、エネルギー効率化と家庭の安全性確保に向けて大きな一歩となる。今後の展開に期待が寄せられる。