BBSecとDNPが製造業セキュリティに取り組み、より安全な未来を実現

BBSecとDNPが取り組む製造業のセキュリティ強化

株式会社ブロードバンドセキュリティ（BBSec）は、大日本印刷株式会社（DNP）との資本業務提携を拡大したことを発表しました。この提携は2020年9月から始まり、主に工場、発電所、そして交通システムなどの制御システム、通称OT（Operational Technology）領域におけるセキュリティ対策に焦点を当てています。

融合する専門知識で新たなセキュリティ基準を確立

BBSecのサイバーセキュリティに関する専門性とDNPの工場運営ノウハウを融合させることで、製造業特有の課題を解決し、日本の製造業全体で適用可能な新たなセキュリティ基準を設けます。これにより、OT領域を含むセキュリティサービスをワンストップで提供し、企業の業務負担を減少させる狙いです。

製造業のセキュリティ課題

製造業がデジタル化を進める中、制御システムはサイバー攻撃の標的になりやすく、そのリスクも増大しています。特に、ランサムウェアや国家による支援を受けた攻撃が広がっており、これが工場の操業停止やサプライチェーン全体に重大な影響を及ぼしております。こうした事態は、企業経営だけでなく、日本全体の産業競争力に直結する問題です。

現在、多くの工場では、ITセキュリティ対策が十分に適応されていないのが実情です。特に、OT領域に特化したセキュリティ対策が整っていないため、対策の更新も難しいという現実があります。その為、BBSecとDNPは、OT環境におけるセキュリティ対策の重要性を強く認識し、今回の提携強化に至りました。

提携による具体的な施策

これからの取り組みは大きく三つのポイントに分かれています。

1. IT×OTの知見融合

BBSecの長年のITセキュリティ経験を生かし、工場に適したOT環境向けのセキュリティ対策を開発します。また、DNPの工場運営に関する知見を取り入れ、セキュリティ強化を図りながらも生産効率を落とさない融合を実現します。

2. DNP自社工場をモデルに

BBSecは、DNPが開発した「DNP工場セキュリティガイドライン」に基づいて、DNP自社工場におけるリスクの可視化と対策の最適化を進めます。ここで得られた実証結果は、日本の製造業全体に適用可能なセキュリティ標準の確立につながります。

3. ワンストップのセキュリティサービス

DNPの工場セキュリティサービスとBBSecのSOC機能を一元化し、企業がセキュリティ対策を効率的に実施できる仕組みを構築します。これにより、セキュリティ対策の実施にかかる企業の負担を軽減し、迅速な導入が可能となります。

今後の展望

提携強化の結果、BBSecとDNPは、DNP自社工場をモデルに、日本全体の製造業に向けた「工場セキュリティ標準」の確立を目指します。工場セキュリティが企業のリスク管理にとどまらず、産業競争力にも影響を及ぼす重要な社会問題であるため、この取り組みは非常に意義深いものです。今後も両社は、ITとOTの知見をもとに、企業の業務負担を減少させるような新たなサービスの展開に努めていきます。

BBSecの概要

2000年に設立されたBBSecは、トータルセキュリティサービスを提供する企業です。常に進化するサイバー攻撃に対応するため、現状の可視化、診断から事故発生時の対応、24時間365日体制での運用まで、幅広いサービスを展開し続けています。「便利で安全なネットワーク社会を創造する」というビジョンを持ち、引き続き努力してまいります。