2023年10月6日、石川県七尾市文化ホールでは「七尾市市制20周年記念式典」が開催されました。この特別なフレームにおいて、石川県住みます芸人である月亭方気が新たに「七尾ふるさと大使」に任命されました。市制施行20周年を祝うこのイベントには、彼だけでなく、他の8名のふるさと大使も就任し、地域の振興や復興活動への参加が期待されています。
七尾市は、元旦に発生した能登半島地震や9月の豪雨の影響を受けた地域です。そのため、月亭方気を含む新任のふるさと大使たちは、地元の自然や歴史、文化を広めるだけでなく、復興に関する情報発信や支援活動も担当します。
式典では、月亭方気と茶谷義隆市長が「地元あるある」と題したトークセッションを行い、地域をよく知る二人のやり取りで会場は大いに盛り上がりました。方気は、中学校と小学校で茶谷市長の先輩でもあり、地元の話題を真剣に語る姿が印象的でした。
実は月亭方気自身も、実家が能登半島地震の影響を受けており、約1か月間の断水生活を強いられました。この苦境の中で、彼は周囲の人々を助けるために行動を起こし、同時に七尾市よりも大きな被害を受けた志賀町や輪島市でも慰問落語会を開催。そこで、笑いを通じて被災者たちに少しでも心の安らぎを提供してきました。
ふるさと大使としての新たな役割について月亭方気は、「大阪に行って住みます芸人として活動した経験が、地元の魅力を再発見するきっかけとなった」と述べ、今後は七尾市の良さを広めるための情熱を持って取り組む意向を示しました。また、震災や豪雨で影響を受けた地域に、笑いを届けるための努力を誓っています。彼の任期は令和10年3月の末日までの予定です。
月亭方気は石川県七尾市出身で、金沢市に在住。関西大学法学部を卒業後、大阪でサラリーマンを経験し、その後漫才コンビで活動していましたが、解散を経て落語の世界へ進む決意を固めました。2013年には、月亭八方に弟子入りし、上方落語界でのキャリアを築いてきました。その後、2018年に石川県住みます芸人に就任し、テレビやラジオなど多方面での活動を展開しつつ、県内の落語普及にも力を入れています。
また、「かなざわスーパーおふろマイスター」としての称号も持つ彼は、銭湯に寄せた愛情を生かしたイベントを県内で開催しています。さらに、津幡町観光特使の兄弟子である月亭方正から落語普及活動を託され、落語教室の講師としても活動しているなど、地域に貢献する姿勢が際立っています。