宇宙事業への挑戦
2025-07-01 12:49:38

太陽工業、宇宙構造物スタートアップに出資し共同開発へ

太陽工業、宇宙構造物スタートアップに出資



宇宙産業の最前線で新たな展開が期待される中、太陽工業株式会社が柔軟な宇宙構造物を手がけるスタートアップ企業、株式会社cosmobloomに出資を決定しました。これにより、両社は共同で研究開発を進めると共に、将来的な製造や販売に関しても協議を進めていく予定です。

ゴッサマー構造の可能性



コスモブルームが開発している「ゴッサマー構造」とは、膜やケーブルで構成される軽量で柔軟な構造です。これらは宇宙機において特に注目されており、その軽量性や展開性、収納性によって効率良く宇宙へ運ぶことが可能です。しかし、柔軟な構造のため挙動を予測するのが難しいという課題もあります。

そこでコスモブルームは、独自の解析技術である「非線形弾性力学解析コード NEDA」を用いて、これらの課題に取り組んでいます。この技術は、2010年にJAXAが打ち上げた「IKAROS」の膜面展開シミュレーションにも活用され、宇宙空間での挙動をより正確に予測することを可能にしました。

宇宙事業を見据える太陽工業



太陽工業は、これまで豊富な経験をもって膜面構造物の開発に携わってきました。コスモブルームへの出資は、宇宙関連事業への参入を本格化させる重要な一歩です。特に「膜」の特性を活かし、宇宙空間での新たな可能性を探ることで、さらなる業務の幅を広げることが期待されています。

その背景には、2019年にJAXAと連携した「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」の製作があります。これを契機に、太陽工業は宇宙関連事業への取り組みを加速させ、2021年には「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」の技術研究開発にも参加しています。現在も「月面インフレータブル居住モジュール」の地上実証モデル構築に取り組んでおり、宇宙の利用価値を追求しています。

コスモブルームの強みと未来



コスモブルームは、日本大学理工学部の研究室から出発し、今や多くの宇宙プロジェクトで実績を積んでいます。特に、宮崎康行教授が開発した新しい解析技術は、過去に数多くの宇宙関連プロジェクトでこれまでの成果を出してきました。この中には超小型人工衛星の開発も含まれ、コスモブルームのメンバーはそれぞれが豊富な実務経験を持っています。

福永桃子社長は、太陽工業との連携により両社の強みを最大限に活かし、宇宙開発における革新を生み出していくことへの期待を表明しています。

まとめ



この度の出資を通じて、太陽工業とコスモブルームは新たな宇宙ビジネスの可能性に挑み続けます。膜という柔軟な素材が、宇宙空間でどのように活用され、未来の宇宙開発にどのように寄与するのか、今後の展開が大いに注目されるところです。


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会社情報

会社名
太陽工業株式会社
住所
大阪府大阪市淀川区木川東4-8-4太陽工業本館
電話番号
06-6306-3033

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