更生支援映画公開
2024-06-27 01:52:02

「おまえの親になったるで」映画公開、更生支援の現場に迫るヒューマンドキュメンタリー

テレビ大阪ドキュメンタリー映画「おまえの親になったるで」が、6月28日のテアトル新宿での劇場公開を前に、舞台挨拶つき試写会を開催しました。本作は、2018年にテレビ大阪で制作され、テレビ東京系列ドキュメンタリー大賞を受賞した作品で、その後も続編を制作し、第28回坂田記念ジャーナリズム賞特別賞を受賞しています。

舞台挨拶には、日本財団職親プロジェクト代表・千房株式会社代表取締役会長の中井政嗣氏、日本財団職親プロジェクト関西代表・カンサイ建装工業社長の草刈健太郎氏、公益財団法人社会貢献支援財団会長の安倍昭恵氏、そして本作の監督であるテレビ大阪報道部の北岸良枝監督が登壇しました。

草刈氏は、最愛の妹を殺された被害者遺族として、更生支援への思いを語りました。「今まで何回もテレビで取材していただいたのですが、映画にしていただけて本当に感謝しています。妹の顔を見るのは辛いのですが、一人でも多くの人にこの映画を見て、再び頑張ろうとしている人を応援できるような社会になったらと思います。」と、映画公開への期待を表明しました。

中井氏は、職親プロジェクトを立ち上げたきっかけについて、「人材不足で苦労した時期に、元受刑者を雇用したことが、更生支援に携わるきっかけとなりました。最初は抵抗がありましたが、千房が元受刑者の就労支援を行っていることをオープンにすることが重要だと考えました。」と語りました。また、更生支援は一人でできるものではなく、周囲の力が必要であることを強調しました。

安倍氏は、少年院での活動を通して、更生支援の必要性を感じ、映画を見て涙が止まらなかったと語りました。自身の複雑な感情を刑務所の受刑者に向けて話した際に、更生への決意をつづった手紙をもらったことを明かし、「少しでも役に立てることができて嬉しいです。」と、涙ながらに語りました。

北岸監督は、12年間にわたる職親プロジェクトの活動を見つめ、その熱意を映画に込めて多くの人に見てほしいと語りました。また、草刈氏と妹さんの映画好きという共通点から、映画という形で作品にできたことを喜んだ様子でした。

草刈氏は、更生支援はリスクを伴うものの、支援をしないことで元受刑者の更生が困難になる現状を訴え、周囲に関心を持つことの重要性を訴え、締めくくりました。

この映画は、更生支援の現場のリアルな姿と、加害者と被害者、そして支援者たちの複雑な思いを丁寧に描き出すことで、社会における再犯防止の課題と更生支援の重要性を改めて考えさせる作品です。
テレビ大阪ドキュメンタリー映画「おまえの親になったるで」は、更生支援という難しいテーマを正面から捉え、その現場で奮闘する人々の姿、そして加害者と被害者双方を巻き込んだ複雑な感情を丁寧に描き出した作品だと感じました。

特に印象的だったのは、草刈健太郎氏の言葉です。最愛の妹を殺された被害者遺族として、加害者に対する怒りや悲しみを乗り越え、更生支援という難しい道を選んだ彼の決意には、深い感動と敬意を感じました。彼は、映画を通して一人でも多くの人に、再び頑張ろうとしている人たちを応援してほしいという強い願いを表明していました。

中井政嗣氏の言葉からも、更生支援の重要性と、その難しさが伝わってきました。彼は、元受刑者の雇用というリスクを冒しても、更生支援を続けることの必要性を訴え、周囲の理解と協力の大切さを強調していました。

また、安倍昭恵氏の言葉からは、被害者遺族としての苦しみと、更生支援への強い思いが感じられました。彼女は、自身の経験を通して、更生支援が社会にとって重要な課題であると訴え、草刈氏や中井氏と共に、再チャレンジできる世の中を作っていく決意を語っていました。

この映画は、更生支援というテーマを通じて、社会における様々な問題点と、人々の心の複雑さを浮き彫りにしています。更生支援に関わる人たちの揺るぎない信念と努力、そして、社会全体で再犯防止に取り組むことの重要性を改めて認識させてくれる作品だと感じました。

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