新たなアプローチでパーキンソン病を支援
2023年、ダイヤ工業株式会社が発表したプロジェクト『ホコラボ』は、パーキンソン病の患者の生活品質を向上させることを目的としています。内閣府の支援を受けたこのプロジェクトは、ウェアラブルデバイスとAIを駆使して、パーキンソン病特有の歩行障害に取り組むものです。今後数年で、より良い生活を送るためのお手伝いを行うこの試みについて詳しく見ていきましょう。
パーキンソン病と「PDパンデミック」
近年、パーキンソン病は、「PDパンデミック」とも言われる急速な増加を見せています。制御困難な運動障害や歩行に関する悩みが、患者の生活に多大な影響を与えています。2040年には世界で1,300万人以上の患者が予想されており、これが社会全体の課題として捉えられています。患者は、すくみ足や小刻み歩行などの問題に直面することで、自由な移動や日常生活の質が低下しています。
『ホコラボ』の目的と技術
このプロジェクトが目指すのは、パーキンソン病の方々が日常生活をより良く過ごせるような運動支援プラットフォームの構築です。データを利用した個別の介入を実現することで、一人ひとりに最適な支援が提供されることを目指します。
機能する三つの技術要素
1.
歩行障害計測技術:特別に設計されたスマートシューズが、日常的な歩行状況を綿密に記録。歩行状態の把握や介入タイミングの最適化に役立ちます。
2.
介入効果予測技術:神経筋骨格モデルを活用し、異なる歩行障害をシミュレーション。データに基づいた的確な介入を計算します。
3.
最適感覚介入技術:アシストスーツや歩行器がAIとスマートシューズに連動して、ユーザーの歩行をサポートします。
提供されるサービス
プロジェクトが進む2028年には、以下の三つのサービスが社会実装される予定です。
- - 不活動予防サービス:日常的な活動データの計測と、活動量を維持するための支援。
- - 生活モニタリングサービス:生活環境のモニタリングを実施し、必要な改善提案を行います。
- - 歩行障害緩和サービス:パーソナライズされた歩行支援を提供。
共に創り出す社会
『ホコラボ』の理念は、ただより良い技術を提供することに留まりません。「病と共に生きる」価値観を広め、患者が自分らしい生活を送れる社会の実現を目指しています。様々なステークホルダーとの対話を通じて、コミュニティの構築を推進し、「自分らしい一歩」を皆が踏み出せるようにしていくことが求められます。
ダイヤ工業の関与
ダイヤ工業は、長年にわたる医療器具開発の経験を基に、本プロジェクトにおいて重要な役割を担っています。歩行支援のためのアシストスーツは、日常生活に馴染むデザインと機能性を備え、パーキンソン病の患者が安心して使用できる製品になるよう開発を進めています。同社の代表取締役、松尾浩紀氏は、「歩ける自信が、心の前向きさを育む」と述べており、プロジェクトに対する熱い思いを語ります。
未来の展望
『ホコラボ』が目指すのは、単に技術革新だけでなく、患者が自立した生活を送り、心豊かに生きられる社会の実現です。このプロジェクトが多くの人々の希望となることを期待しています。