渋谷区の小学校で社会体験学習『しくみ~な』を全面導入
東京都渋谷区に位置する小学校2校で、日本総合研究所が開発した新しい社会体験カリキュラム『しくみ~な®』が導入されました。このプログラムは、子どもたちが仮想都市『しくみ~なタウン』の市民としての体験を通じて、社会や経済、仕事の仕組みを深く理解することを目的としています。
『しくみ~な』の構成
『しくみ~な』は学びの過程を大きく3つのステップに分けています:
1.
学校内授業
2.
体験準備
3.
社会体験活動
学校内授業
最初のステップでは、子どもたちはエデュテイメントプロデューサー正頭英和先生との共同制作による動画やワーク教材を通じて、公的機関や企業の役割、産業のつながり、さらにはお金の流れなど、社会の基礎知識を学びます。この過程は、正課の総合学習の時間を使って行われます。
体験準備
次に、各生徒は求人への応募や面接を経験し、個々に異なる職種に従事します。このプロセスでは、チームビルディングの活動を通じて、他の子どもたちとも協力しながら具体的な仕事に対する理解を深めます。
社会体験活動
最終ステップでは、実際の業務をロールプレイを通じて体験し、社会、経済、仕事の仕組みを実践的に学んでいくことになります。このカリキュラムは、単発の学習に留まらず、持続的な学びを促進するための計画がなされています。
『金流体験アプリ』の活用
特に注目されるのは『金流体験アプリ』です。このアプリは、個々の子どもが生活の中で発生する金の流れを可視化するもので、デジタル端末で操作されます。子どもたちは自身の口座と職場の口座を使って仕事や生活の金の流れをリアルタイムで確認しながら、給与の受け取りや納税、買い物などの経済活動を体験します。
このプログラムの特色は、地域に根付いた企業や公的機関が積極的に参加している点です。生徒たちは、地域団体の仕事を体験できるため、実際の社会に近い環境で業務を行うことができ、安心して学べる環境が整っています。
企業との協力
今回の取り組みは、多くの協力企業と団体によって支えられています。社会福祉法人恩賜財団済生会や、株式会社JSOL、大日本印刷株式会社、DCMホールディングス株式会社、東急不動産ホールディングス株式会社、そして株式会社Tokyo New Cinema等、名だたる企業がこの教育活動の成功を目指して協力しています。
未来の教育に向けた一歩
この取り組みが実施されることで、子どもたちが将来の社会の一員として必要なスキルを身につけるための基盤が築かれることが期待されています。また、2025年度にはフルパッケージの導入が決定され、より充実した学びを提供できる環境が整うことでしょう。渋谷区の取り組みは、未来の教育像として、多くの地域に広がっていく可能性を秘めています。