木質バイオマス発電所のオペレーション革新!LLMを活用した運転保安支援システム導入
バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社(以下、「BPT」という。)は、経済産業省「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を活用し、株式会社BM エコモ(以下、「BM エコモ」という。)と共同で開発したバイオマス発電所運転支援システム「BMecomo」に、大規模言語モデル(LLM)を活用した保安支援機能「BM-GPT」を導入しました。
導入の背景とシステム概要
木質バイオマス発電は、化石燃料を使用する火力発電と比べて、燃料の性質(含水率や形状)が常に変化するため、設備への負荷が大きくなりがちです。特に、燃料搬送系統や燃焼の平準化においては、年間5件程度の突発的な故障が発生し、発電停止を招く原因となっていました。
安定した稼働を維持するためには、これらの突発的な故障を事前に防ぐとともに、発生した場合でも迅速な復旧が不可欠です。運転員のスキル向上による故障予防に加え、故障発生時に関連情報を素早く探し出して復旧作業を短時間で行うことが課題となっていました。
「BM-GPT」は、「BMecomo」に蓄積されたデータや過去のトラブルシューティング情報とLLMを組み合わせることで、これらの課題解決を支援するシステムです。
保安支援機能「BM-GPT」の概要
「BM-GPT」は、以下の機能から構成されています。
プロセス値検索機能: 「BMecomo」のデータベースに蓄積されたプロセス値データをLLMで検索する機能
保全記録検索機能: 社内サーバーに保管されているPDF形式の保全記録をLLMで検索する機能
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ユーザーインターフェイス(UI)開発: 上記の検索機能を利用するためのチャットボット開発
導入効果
「BM-GPT」の導入により、BPTの木質バイオマス発電所におけるトラブルの早期復旧と発電停止時間の最小化が期待されます。導入前と比較して、トラブル発生時の情報検索時間が最大125分/件短縮される効果が実証されています。
また、属人的な作業や対応についても、情報共有がスムーズになり、運転員のスキルアップと技能の平準化による年間72時間相当の作業時間短縮が見込まれています。将来的には、開発中の予測モデルと「BM-GPT」を組み合わせることで、チャットボットによる設備の点検時期のお知らせや運転操作のアドバイスなど、より高度な支援機能の実現も期待されています。
データドリブンな発電所運営の実現
「BM-GPT」の導入は、データドリブンな発電所運営へと繋がる一歩です。運転員の経験と知識に頼っていた従来のオペレーションから脱却し、データに基づいた効率的な運用が可能になります。これは、木質バイオマス発電所の安定稼働とさらなる効率化に貢献するだけでなく、持続可能なエネルギー社会の実現にも貢献する取り組みです。
バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社の概要
バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社は、木質バイオマス発電事業を通じて、再生可能エネルギーの普及と地域社会の発展に貢献しています。「BMecomo」をはじめとした革新的な技術の導入により、環境負荷の低減と経済成長を両立する持続可能な社会の実現を目指しています。
※木質バイオマス発電所運転支援システム「BMecomo」について
「BMecomo」は、ビッグデータ解析やAI・IoTなどの最新テクノロジーを活用し、バイオマス発電所の運転管理、設備管理、事業管理を支援するシステムです。最新技術と可視化による徹底的なデータ活用により、バイオマス発電所の収益最大化を目指しています。
「BMecomo」サービス紹介ページ:
https://bmecomo.com/
<問合せ先>
バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社経営管理部 広報担当
TEL:0598‒67‒2561
MAIL:bpt‒
[email protected]