ispace、月探査を推進する新しいアドバイザリーボードを設立
株式会社ispace(東京都中央区)は、米国法人であるispace technologies U.S., incが「米国ルナ・サイエンス・アドバイザリー・ボード」(US LSAB)を設立したことを発表しました。この新設のアドバイザリー・ボードは、2025年4月1日にエリザベス・クリストがispace-U.S.の新CEOになるタイミングで発足します。US LSABは、宇宙産業の著名な専門家から構成され、同社の米国市場における競争力を強化し、科学技術のレベルを戦略的に向上させることを目的としています。
US LSABには、科学的な月探査、技術開発、戦略的パートナーシップ、ビジネス戦略に関する重要な視点や提言を提供することが期待されており、ispaceの「ムーンバレー2040構想」にも寄与する役割が求められています。
ispace-U.S. CEO エリザベス・クリストの見解
エリザベス・クリストのコメントによると、「US LSABの創設は、ispace-U.S.の月に関連する科学と探査の進展へのコミットメントを強調するものです。今後、優れたリーダーたちと共に、ispace-U.S.の米国市場での成長を加速させ、共通の目標を実現するために努力を続けていくことを楽しみにしています」と述べています。
業界の専門家たち
US LSABの議長には、元NASA副長官のアラン・スターン博士が就任します。彼はNASAの「ニュー・ホライズンズ」ミッションの主任研究員として冥王星探査を手がけた実績もあり、科学・技術に関する論文や著作も多数持っています。また、アラン博士はispaceのルナ・アドバイザリー・ボードのメンバーでもあります。
他のメンバーには、アリゾナ州ツーソンの惑星科学研究所の副所長であるアマンダ・ヘンドリックス博士、フロリダ大学の惑星科学者フィリップ・メッツガー博士、ルナ・アンド・プラネタリー・インスティチュートの元所長リサ・ガディス博士、コロラド大学名誉教授のジャック・バーンズ博士、ノートルダム大学のクライブ・ニール博士などが名を連ねています。
このアドバイザリー・ボードには、宇宙風化や資源開発に関する研究者が多く、月や他の惑星に関する最新の知識がispace-U.S.に提供されることが期待されています。特に、ispaceは月を中心とした経済圏の構築を目指しているため、月探査やその技術に関する広範な理解を持つ専門家たちの参加は極めて重要です。
今後の展望
ispace technologies U.S., incは今後も米国市場での製品やサービスの拡充を進め、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービスに採択されたAPEX1.0ランダーの開発や、月面への科学ペイロードの輸送を実現することを目指しています。US LSABの新設により、今後の事業展開にさらなる飛躍が期待されます。
企業は月面およびその周辺での人類の生活圏や経済圏を築くことに注力し、21世紀の宇宙産業においてその存在を確立していくことでしょう。新たなアドバイザリー・ボードの発足が、ispaceの成長にどう寄与するのか、今後の動向に注目です。