室温トランジスタ技術
2025-10-17 14:16:19

室温で薄膜トランジスタを製造する新技術のご紹介

新技術により3040℃で作製可能な薄膜トランジスタ



工学院大学の電気電子工学科にいる相川慎也教授が、この度新しい製造プロセスを開発しました。この技術は、熱処理を施さずに室温で薄膜トランジスタを作り出せるもので、紫外線を活用した画期的な手法です。このプロセスによって、従来の製造方法の課題を克服し、より多様な基板に対応可能となりました。

背景:従来技術の課題



従来、アモルファスIn2O3系薄膜トランジスタは、フォトンエネルギーの高い紫外線を照射する方法で製造されていました。この工程では、照射を受けた基板が150℃程度に加熱されることが一般的であり、これが耐熱性の低いプラスチック基板を使用する際の障害となっていました。冷却などの追加工程が必要になることから、製造コストや時間が増大してしまうという諸問題が指摘されていました。

新たな製造プロセスの特徴



相川教授が新たに開発したプロセスは、紫外線照射の環境設定と波長の工夫を行うことによって加熱を最小限に抑えることに成功しました。この方法では、基板温度が30℃未満の条件でトランジスタが作製されるため、耐熱性の低いプラスチック基板を安全に使用できるようになっています。

また、工程がすべて大気中で完結するため、シンプルな製造過程が確立され、量産にも対応可能です。これにより、製造効率の向上が見込まれ、薄膜トランジスタの市場で新たな選択肢となることでしょう。

課題解決と社会的意義



薄膜トランジスタは、現在の電子機器、特にディスプレイの重要な構成要素となっています。この技術による製造工程の効率化は、急速に進化する技術環境において極めて重要です。特に、耐熱性の低いプラスチック基板を利用できることで、軽量で柔軟性のある電子デバイスの開発が現実のものとなります。

その結果、身近なデバイスをより省エネルギー化する道が開け、私たちの新しいライフスタイル形成にも寄与することが期待されます。

技術情報と今後の展望



相川教授は、今後この新技術を積極的に社会に提案するための活動を行います。2025年10月23日に予定されるJST新技術説明会では、企業向けにその詳細を発表する予定です。広く産業界に波及効果をもたらし、持続可能な技術革新に貢献することを目指しています。

この新技術は、単に製造プロセスの革新に留まらず、今後のテクノロジーの進化に大きな影響を与えるものであり、我々の生活をより良くする可能性を秘めています。

無料オンライン参加も可能ですので、興味がある方はぜひ事前に申し込んで参加してください。

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