南国市の健康ポイント事業『のぞポ』の成功
高知県南国市で進められている健康ポイント事業『のぞポ』が、導入から約1年7か月で延べ1億4千万歩を達成しました。この成果は、参加した高齢者たちの健康促進だけでなく、医療費の削減や行政業務の効率化にも寄与しています。実施主体である株式会社ベスプラと南国市は、ICTを駆使して健康づくりを支援する新たなモデルを確立しつつあります。
『のぞポ』とは?
『のぞポ』は「わたしの望む生活応援ポイント事業」の略称で、2023年9月25日にスタートした高齢者向けのスマートフォンアプリ事業です。この事業は、高知県が掲げる「日本一の健康長寿県構想」を基盤にしており、65歳以上の市民がアプリを使って健康増進に励むことを目指しています。
利用者は歩行や脳トレ、栄養管理といった健康目標を設定し、これらを達成した結果、ポイントを獲得します。さらに、地域のイベントやボランティア活動にも参加することで、さらなるポイントを貯めることができます。集まったポイントは、キャッシュレス決済のPayPayポイントに交換可能で、日常生活の買い物に活用できるのです。
累積実績と影響
適用開始からの成果は目を見張るもので、参加者数は76名、累計歩数は144,458,743歩に達しました。これは地球をほぼ2周する距離で、医療費抑制効果として約880万円の効果が見込まれています。ポイントの総付与数は85,649ポイントに上り、参加者にインセンティブを与えて健康活動を楽しませています。
また、南国市役所では、アプリの導入により業務効率化も実現しました。例えば、ボランティアポイントの集計作業が月に4〜5時間削減され、ペーパーレス化が進んでいます。これにより、市の経費節減や環境負荷の低減も期待されています。
高齢者の声と今後の展望
参加者からは「毎日アプリを確認するのが楽しみ」という声が寄せられており、ゲーム感覚で健康活動を維持できている様子が伺えます。市の担当者は、今後ボランティア活動ができる施設を増やし、さらなる参加者を募る意向を示しています。また、来年度も本事業を継続させる方針です。
ベスプラ代表の意見
株式会社ベスプラの代表取締役、遠山陽介氏は、「『のぞポ』が健康促進とデジタルトランスフォーメーションの成功事例として、他の自治体にも展開していくことを期待している」と語っています。高知県内の他の市町村からの関心も高まっており、『のぞポ』が地域住民の健康寿命の延伸に寄与することが期待されています。
お問い合わせ
この取り組みについての詳細や参加については、南国市役所の長寿支援課(Tel: 088-880-6556)にお問い合わせください。また、株式会社ベスプラのウェブサイトや連絡先も此方です。
このように『のぞポ』の取り組みは、高齢者の健康推進にとどまらず、地域全体のデジタル化を進める事例としての意義も大きいと言えるでしょう。