海運とセキュリティ
2021-08-31 14:30:01
海運業界を守る!セキュリティソフトと保険の新たな組み合わせ
海運業界を守る新たな取り組み
近年、海運業界においてもサイバー攻撃の頻発が問題となっています。その中でも特に脅威とされているのが、ランサムウェアと呼ばれるマルウェアです。ランサムウェアに感染したシステムは利用不能になり、業務に大きな支障をきたすことがあります。
オフライン環境でも発生するこの問題は、船舶の運行におけるシステムアップデートの難しさに因ります。海上を航行する船舶は、通信手段が限られるために、アップデートや脆弱性のパッチ適用がリアルタイムで行うことが困難です。そのため、不完全なセキュリティ環境において、USBなどを通じて持ち込まれたマルウェアが船内ネットワーク全体に広がるリスクが高まります。
Morphisecによるセキュリティ対策
このような状況に対処するために、インテリジェント ウェイブ株式会社(IWI)が提供する「Morphisec」が注目されています。このソフトウェアは、特に船舶のWindows環境において、システムの安定性を保ちながらマルウェアを無効化する能力を備えています。Morphisecは、パターンファイルに依存しない「Moving Target Defense」技術を採用しており、常に攻撃対象を変えることで、マルウェアの侵入を防ぎます。この技術は、デンマークの海運企業A.P.モラー・マースクでも採用されています。
サイバー保険の導入
この新たなサービスには、Morphisecを導入した企業に対して、三井住友海上のサイバー保険が付帯されます。この保険では、サイバー攻撃により発生したセキュリティの事故について調査や解析が補償されるため、より安心してシステムを運用することができます。対象となる費用の支払限度額は250万円で、補償期間はMorphisecの利用開始から1年間。契約を継続する限り、自動的に更新されます。
企業の責任と取り組み
ただし、注意が必要なのは、サイバー攻撃による身体障害や財物損壊に関しては、船舶の所有や管理に関連する損害は免責となります。そのため、企業は自らのシステムに加え、リスクマネジメントを意識した運用が求められます。
IWIは、大日本印刷グループの一員として、ペイメント決済や証券市場向けシステムの開発に多くの実績を持っています。現在は、自社開発の「CWAT」をはじめとした内部情報漏洩対策を強化するため、海外の先進的なソリューションを国内に提供し、情報セキュリティへの取り組みを大幅に拡充しています。
まとめ
このように、Morphisecと三井住友海上のサイバー保険の連携は、海運業界におけるセキュリティ対策強化の新しい形を示しています。サイバーセキュリティは今や全ての業界にとって不可欠な要素となっており、イントラネットにおける防御体制の見直しと強化が求められています。今後もIWIは、業界全体の安全性と安心感を高めるために、セキュリティ製品の普及に努めていく姿勢です。
会社情報
- 会社名
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株式会社インテリジェント ウェイブ
- 住所
- 東京都中央区新川1-21-2茅場町タワー
- 電話番号
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