NECと富士フイルムがAIを駆使した新たな予測システムを構築
NECが富士フイルム向けに、アフターパーツの需要予測ツールの構築を始めたことが発表されました。このツールは、NECのAdvanced-S&OPソリューションを基盤とし、AI技術を駆使したもので、特にデジタルカメラ向けに特化したものです。NECは、この取り組みで供給チェーンの管理を改善することを目指しています。
この構築開始に先立ち、両社は2024年12月から2025年5月末までの実証実験を行ってきました。実験では、富士フイルムのデジタルカメラを対象に、従来の管理方法と比較し、AIを活用した需要予測モデルがどの程度の精度を持つのかを検証しました。その結果、従来の方法に比べて大幅な精度向上が期待できることが明らかになり、ツールの本格的な開発に至りました。
アフターパーツ需要の重要性
メーカーにとって、製品の製造が停止した後もアフターパーツの供給を続けることは非常に重要です。これは、顧客が安心して製品を使用し続けるための保証となるからです。ただし、アフターパーツの供給期間は製品や業界により異なり、供給期間が3年から15年と幅広い中で、適切な在庫管理をすることが必要です。過剰在庫はコストを押し上げ、逆に在庫が不足した場合には金型の作成や代替部品の探索に多大な時間と費用がかかります。したがって、アフターパーツの需要を正確に予測し、無駄を省くことは、企業にとって大きな課題です。
AI技術の導入
新たに構築される需要予測ツールは、AI技術に加えてデータ分析の専門知識やSCM(供給チェーンマネジメント)のプロフェッショナルの業務知見を融合させています。このツールでは、製造終了製品のアフターパーツの需要予測が行われ、需要と供給の最適化を図ります。また、データに基づいた根拠のある予測を行うことで、関係者との円滑なコミュニケーションを促進し、さらなる需要を生み出すための戦略立案を支援します。
実証実験の成果
実証実験では、過去のアフターパーツの供給データを基に約1800種類のパーツを対象に需要予測モデルが構築されました。その結果、在庫管理が「枯渇」「適正」「過多」に分類され、「適正」と評価される部品点数が従来より2.7倍増加しました。これにより、在庫の過剰や不足を防ぎ、より効率的な在庫管理が期待できることが確認されました。
NECのデジタルトランスフォーメーション戦略
NECはデジタルトランスフォーメーション(DX)において、ビジネスモデル、技術、組織・人材の3つの軸を中心に、戦略構想コンサルティングからサービスの実装までを提供しています。従来型のシステムインテグレーターから「Value Driver」への進化を目指し、NTCの「BluStellar」モデルを展開しています。この取り組みにより、業種を超えた知見と最新のテクノロジーが組み合わさり、企業の経営課題の解決に貢献しています。これからのアフターパーツ需給予測においても、NECの取り組みは大きな注目を集め続けることでしょう。