東洋製罐グループとTNOの新たな挑戦
東洋製罐グループホールディングスは、オランダ応用科学研究機構(TNO)と手を組み、欧州での統合型太陽光発電システムのマス・カスタマイゼーションを目指す「MC2.0プロジェクト」に全面協力することが決定しました。これにより、次世代フレキシブル太陽光発電パネルの量産化へ向けた新たな道が拓かれようとしています。
プロジェクト概要
「MC2.0プロジェクト」は、TNOが主導しているEUのプロジェクトで、顧客のニーズに合わせた製品を高効率かつ低コストで提供することを目指しています。このプロジェクトでの成功は、2026年までにカスタマイズされた製品の大量生産体制を確立し、ペロブスカイト太陽電池を含む次世代フレキシブル太陽光発電パネルの普及を加速させることを期待されています。
この協業を通じて、両者は温室効果ガス(GHG)排出量の削減や持続可能な社会の実現を目指し、クリーンエネルギーの普及に貢献することが狙いです。
東洋製罐グループの役割
東洋製罐グループは、「MiraNeo®」という機能性材料ブランドを通じて、太陽光発電パネルの製品設計や製造方法の効率化に貢献することが期待されています。具体的には、TNOと共同で、太陽光発電パネルの裏側に配置する「パターン付きバックシート」の品質性能を向上させるための製品開発を行います。このバックシートは、電気を通すためのパターンが事前に形成されているため、発電効率の向上やコストの削減、そして設計の軽量化と柔軟化に寄与します。
さらに、TNOとの協業により、太陽電池の表面を保護する「フロントシート」や、水分侵入を防ぐ「端部封止材」の開発も行われる予定です。これらは、製品寿命の向上にも寄与し、持続可能なエネルギーの実現につながります。
TNOとは?
オランダ応用科学研究機構(TNO)は、オランダ議会により設立された、欧州有数の中立的な応用科学研究機関で、多岐にわたる研究活動が国際的に評価されています。TNOは、最先端の研究に基づく新たなビジネス立ち上げや製品・サービスの創出を支援しており、その活動は多くの企業に影響を与えています。
未来へ向けて
このプロジェクトの実現によるコストパフォーマンスの向上と環境負荷の低減は、今後の太陽光発電市場にとって重要な要素となるでしょう。東洋製罐グループは、2050年に向けた「長期経営ビジョン」を掲げ、社会や地球環境への責任を果たすべく、さまざまな事業活動を展開していく予定です。今後も、クリーンエネルギーの普及に向けた取り組みに注目が集まります。