ザクロ由来のPGGがATTRアミロイドーシスの新たな解明に寄与
近年、熊本大学の研究チームの取り組みにより、ザクロの葉や枝から得られる天然成分「PGG」が、ATTRアミロイドーシスの理解と治療に新たな道を示しています。本研究は、ザクロの未利用部位を有効活用することで、アミロイド線維の分解に寄与するという画期的な成果を挙げました。
PGGの発見とその効果
PGGは、ザクロの葉や枝に豊富に存在する天然物で、試験管内の実験において、ATTRアミロイドーシスの原因であるトランスサイレチン(TTR)アミロイド線維を直接分解することが分かりました。この研究において、PGGのアミロイド線維分解活性には、グルコースに結合するガロイル基の配置が重要であることが示され、その構造がアミロイド線維に対する効果を強化するとされています。
線虫モデルを用いた研究
さらに、動物実験代替モデルである線虫(C. elegans)を用いたin vivo試験でも、PGGがTTRの凝集体を減少させる効果が観察されました。この実験では、線虫の寿命や健康寿命を延ばすことも確認され、PGGの可能性が一層広がる結果となりました。
臨床応用の期待
本研究の成果は、ATTRアミロイドーシスに対する新たな治療戦略としてのPGGの応用に向けた期待を高めています。従来の治療法を補完する選択肢として、PGGが新しい治療の道を切り開く可能性が示されたことは、患者にとっても朗報でしょう。既に臨床検体(ex vivo)において、PGGがATTR患者のアミロイド線維を直接分解することも明らかとなり、今後の研究における臨床応用の可能性が期待されます。
将来への展望と研究の意義
熊本大学の研究チームが行ったこの研究は、植物スクリーニングを駆使して行われ、試験管内から患者検体までの一貫した評価系を通してPGGの効果が確認されました。この新しいタイプの治療戦略は、現代医療において重要な価値を持ち続けることでしょう。
研究成果は、Cell Pressのオープンアクセス雑誌iScienceに11月20日に公開されました。今後のさらなる研究に期待が寄せられています。アミロイド線維に関する理解が深まることで、多くの患者が救われる日が来ることを願っています。