2030年代の保健外交と国民皆保険の再設計
近年、日本の保健医療制度は急激な高齢化や人材不足、財政制約などの課題に直面しています。国際医学誌『ランセット』グループが発表した特集では、2040年に向けた新たな保健医療・外交政策の再設計が提言されています。日本の保健医療制度と国際保健戦略を一体的に見直すこの取り組みは、東北大学の野村周平教授が中心となり、約25名の研究者や政策実務者が集結して完成させたものです。
日本の保健医療制度と国際的な問題
2011年に発表された『ランセット』の日本特集は、国民皆保険制度が50年の成果とその課題を世界に示したものでした。しかし、15年の時を経て、今や国際的な保健資金の縮小や地政学的分断が進行し、感染症や薬剤耐性、気候変動に対する備えが喫緊の課題となっています。
提言された政策レビュー論文では、以下の3つの重要な転換点が挙げられています。
1.
病院・診療量中心から地域・健康成果中心への転換
国内政策論文では、高齢化による影響や人材不足、財政的な制約を考慮し、国民皆保険制度の持続可能性を確保するために、従来の病院重視から、地域に根ざした健康の成果を重視する方向への転換が提案されています。
2.
援助から人間の安全保障外交へ
国際政策論文では、保健をアジア太平洋地域の安全保障及び経済に不可欠な外交的課題として再定義し、単なる援助から人間の安全保障外交への転換を提言。
3.
日本の経験とアジアからの学びの融合
日本の保健医療システムの知見を共有するとともに、アジア諸国との相互学習を重視するアプローチが提言されています。
これからのオンライン・ブリーフィング
提言に関して、オンラインでのブリーフィングが予定されています。このイベントでは、執筆に関わった著者と具体的な意見交換が可能です。問題意識や提言の核心について、直接質問できる貴重な機会です。
- - 日時: 2026年7月28日(火)午後1時~2時
- - 形式: Zoomミーティング
- - 登録: こちらをクリック
まとめ
今後、日本の保健医療制度は国内の課題をクリアしつつ、国際的な協力の中で成長を目指す必要があります。特に、地域の健康成果を重視しつつアジア太平洋地域との連携が不可欠です。新しい保健外交戦略がどのように進化していくのかに注目です。