第4回AI-MIS×AI/DXフォーラムの開催報告
AOSデータ株式会社は、最近開催された第4回AI-MIS(AI経営情報システム)× AI/DXフォーラムにおいて、「生産管理部門のDXとベストオブブリード」をテーマにしたセッションを実施しました。本フォーラムは、生産管理に関する最新の動向や課題解決のための具体的なアプローチを学ぶための絶好の機会となりました。
経済と生産管理の重要性
日本のGDPの約20%を占める製造業の生産管理部門は、需要予測や在庫管理、品質管理など多くの課題に直面しています。特に人口減少が進む日本社会では、AIを活用した業務効率化が企業にとって重要な鍵となります。今回のフォーラムでは、最前線で活躍する専門家たちがこの課題に対する有益な情報を提供しました。
セッション1: Google 10X活用によるDXの推進
イーディーエル株式会社の平塚知真子氏が講演を行い、Googleツールを利用した生産管理におけるDX推進の秘訣を披露しました。特に、西日本食品工業株式会社の事例を通じて、業務プロセスのデジタル化がリアルタイム情報の共有や迅速な経営判断を可能にしたことが強調されました。さらに、GoogleフォームやAppSheet、Looker Studioの活用により、低コストで迅速なDX化できる実績が紹介されました。
セッション2: AI-MISのベストオブブリードアプローチ
次に、AOSデータのCTOである志田大輔氏が、生産管理におけるデータの一元化とDX推進の必要性を説明しました。小規模工場では紙ベースの管理が一般的である今日、データの集約やインフラ整備が求められています。志田氏は、各企業に最適なデータ管理プラットフォーム「IDX」の導入を提案し、AIによる予測分析の効率向上を目指す実践例を紹介しました。
セッション3: BOMを活用したデータ戦略
大興電子通信株式会社の田幸義則氏が、BOM(部品表)を中心としたデータ戦略の重要性について講演しました。生産プロセスの最適化に向けて部門間でのデータ共有と統合管理が必要であるとし、「トコトン伴走プロジェクト」を通じてDX導入の全面的な支援を行う意義を訴えました。
セッション4: 形状検索による業務改革
デジタルプロセス株式会社の百木なおみ氏が、3D形状検索による業務効率化について解説しました。Space Vertexというサービスは、過去の類似部品検索を迅速化し、設計業務の属人化からの脱却を図る内容が盛り込まれていました。この技術により、見積もり業務の時間短縮が実現でき、業務の全体的な効率化に寄与すると期待されています。
セッション5: ノンカスタマイズ型SaaSの導入
株式会社ネクスタの成澤廉氏が、ノンカスタマイズ型生産管理SaaS「SmartF」の事例を紹介しました。豊富な機能と低コストでの導入は、現場の工数削減や業務効率化に寄与し、幅広い業界で実績があることが強調されました。
セッション6: スモールスタートでDXを実現
CMA株式会社の鷲見哲雄氏が、SaaS型生産管理サービス「Othello Connect」の特長とメリットを講演しました。このサービスは低コストで導入でき、段階的に運用することで企業のニーズに応じた柔軟な対応ができます。実際に海外事例を交えた説明もあり、実用性が強調されました。
クロージング講演: AIの未来と生産管理の進化
最後に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の坂下哲也氏が、「AI×生産管理」をテーマにした講演を行いました。AIは生産管理の効率化に多く寄与するが、経営側の意志決定や壁を超えるためには、経営者と社員の協力が不可欠であると強調されました。今後も進展が期待される中、小規模事業者へもAIを活用した生産管理が広がることが求められています。
このように、第4回AI-MIS×AI/DXフォーラムでは、生産管理におけるDXとAI活用に関する貴重な知見を得ることができました。興味深い講演が多数行われ、参加者は新たな課題解決の道筋を見出すことができたことでしょう。