埼玉マハゼ調査隊が繋ぐ子どもたちと理想の海体験
埼玉県で行われた体験学習イベント「埼玉マハゼ調査隊」は、次世代の子どもたちに海の重要性を理解させるためのプログラムです。2025年8月6日から7日の2日間、小学生を対象に実施されました。この取り組みは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環として、地域の環境問題への意識を高める目的があります。
体験学習イベントの目的と内容
「埼玉マハゼ調査隊」は、埼玉県の若い世代に、海と川のつながりについて学ぶ機会を提供します。汽水魚である「マハゼ」を通じて、川の環境の変化やそれに伴う生物の減少について考える場を作りました。このイベントでは、環境問題や地域文化について知識を深め、実際の体験を通じてその重要性を感じ取ることが目的です。
イベントでは、テレビ埼玉、豊海おさかなミュージアム、屋形船深川冨士見などの施設を利用し、25名の小学5・6年生が参加しました。参加者は、厳しい環境変化の中で生息域が変わってしまったハゼや、海の生き物とのふれあいを通じて、「いのちの尊さ」や「自然のつながり」を学びます。特に、子どもたちが実際に魚を触ったり、自ら釣ったりする体験は、彼らに大きな刺激を与えました。
学びの概要
初日は、まず東海大学の秋山教授の授業で、埼玉の川や東京湾の生態系について学習しました。事前に準備された水槽の魚を実際に観察し、触れることで興味を深めました。その後、豊海おさかなミュージアムでは、海洋環境の変化やハゼの未来についてグループワークを実施しました。環境問題の現状を理解する中で、子どもたちは驚きと発見がありました。これを受けて、立正大学と日本気象協会の講師による気象に関する授業も行われ、自然環境がどのように変わっているかを学びました。
ハゼ釣り体験
2日目は屋形船に乗り込み、実際のハゼ釣りを体験しました。テレビ埼玉の人気番組「田村亮の釣りならまかせろ!」とのコラボレーションで、釣り方の指導を受けた後、釣りのスポットへと向かいました。参加者全員が釣果を上げ、多くの子どもたちが初めての釣りを楽しい経験として心に刻みました。ハゼ料理も特別に用意され、特にハゼの唐揚げが大人気でした。
社会との関係を考える場としても、子どもたちが「理想の海」について発表する時間も設けられ、個々の意見を持つことの重要性を体感しました。参加者からは「色々な種類の魚がいる海」や「ごみがない海」など、具体的な理想像が飛び出しました。
参加者の声とイベントの意義
イベントに参加した子どもや保護者たちの感想も非常にポジティブでした。「釣りの楽しさを知ることができた」「ハゼが美味しかった」など、体験を通じて深い満足感を得たようです。また、参加者からは来年もぜひ参加したいとの声が寄せられています。
この取り組みは、都市の中でも自然と触れ合いながら、大切な海を守る意識を育む良い機会となりました。海なし県と言われる埼玉でも、地域の水辺が持つ重要性を再確認し、次世代に引き継ぐ活動の必要性を強く感じるイベントでした。今後もこうしたイベントが続いていくことで、地域の子どもたちが環境について考える力を育んでいくことが期待されます。