最近、株式会社ジグザグが発表した「2025年版、上半期ウェブインバウンド®︎データ」が注目を集めています。このデータは、日本に訪れる外国人観光客の動向と、それに連動した越境ECの利用実態を明らかにしたものです。
ジグザグは、ウェブインバウンド・越境EC支援を手掛ける企業で、主に「WorldShopping BIZ」というサービスを通じて、海外ユーザーに日本の商品を提供しています。この取組は、日本政府のインバウンド観光戦略と密接に結びついており、訪日外国人数の増加に伴い、越境ECの需要も高まっています。
2025年予測によれば、訪日外国人数は337万7,800人に達するとしています。この背景には、旅行シーズン前の時期とは言え、特に中国や韓国からの訪日需要が高まっていることが影響しています。特に米国からの観光客数は過去最高を記録するなど、国際的な観光市場において日本が再注目されています。
さらに、ジグザグが発表したユーザーデータに基づけば、2025年1月から6月までの期間において、「アメリカ」が最も多く、日本から商品を購入した国であり、続いて「台湾」や「香港」の名が挙がっています。これにより、海外からの需要が日本文化への関心を反映していることが示されています。
興味深いのは、売上ランキングのトップに「Tシャツ」が君臨し、次いで「ぬいぐるみ」や「CD/ミュージック」が続くことです。特にアニメ関連商品や日本の音楽文化が外国人に受け入れられている様子が浮き彫りになりました。特に日本独自の限定商品が越境ECでの人気要因とされ、コレクターズアイテムとしての価値が注目されています。
また、「ふりかけ」がトップ5に入るなど、日本食への関心も顕著です。これは、外国人観光客が現地で体験した日本食が、越境ECを通じて購入されていることを意味しています。国土交通省の調査でも、外国人が旅行中に日本食に触れる機会が多いことが確認されており、その後の越境EC利用につながることが示されています。
ジグザグは、これらの需要に応えるために、さまざまな施策を展開しています。たとえば、ECサイトでのリピート購入を促進するためのショップカード配布を行うなど、訪日経験を帰国後にも感じてもらう取り組みを進めています。また、国内企業もインバウンド向けにチラシを配布し、商品理解を深める努力が続けられています。これにより、訪日経験が越境ECを活性化させる新しい経済圏が生まれる可能性を秘めています。
ジグザグの「WorldShopping BIZ」は、越境ECの支援だけでなく、様々な言語対応や決済、配送のサポートを提供し、国内のEC業者が海外市場に進出するための橋渡しを行っています。特許も取得しており、安心・安全なサービスを提供している点で注目されています。
今回のデータ公開によって、越境ECが日本の文化を世界に広げる重要な手段であることが再確認されました。未来に向けて、旅行の前後や中での消費行動がどのように変化していくのか、そして日本の商品が世界でどう評価されるのか、引き続き観察していきたいところです。