原宿irotoaが提案する新しい働き方、色と音の交差点とは

東京・原宿の路地裏に位置する「irotoa（イロトア）コラボレーションストア」は、ただの販売スペースではなく、特別な意味を持つ場です。この場所は「個性の色、命の音」というテーマのもとに、さまざまな作品が展示され、同時に障害や病気で一般就労が難しい方々が自分のペースで社会と関わりながら働ける空間を提供しています。

irotoaコラボレーションストアの概観

店舗は原宿駅から徒歩数分の位置にあり、白い壁とガラス張りの外観が特徴的です。店内には染色作品や手作りアクセサリー、イラストや写真などが並び、多彩な芸術表現が広がります。このストアは、異なる分野の人々が出会い、共鳴し、新しい価値を生む交差点なのです。実際、作品を手に取る人々や制作に携わる方々、支える人々が集まり、小さなコミュニティが育まれています。

障害者自立支援の現場の課題

就労継続支援B型事業所は、障害を抱える方々が自らの才能を活かしながら働くための支援を提供しますが、現状にはいくつかの課題があります。たとえば、全国平均の工賃は月1万5千円前後と低く、作業内容も単調な傾向が強いのです。また、施設内での作業が完結するため、地域や一般市場との接点が乏しく、より多くの人たちと交流する機会が限られています。

irotoaが目指す新しいかたち

irotoaは、こうした課題を解決するために、いくつかの取り組みを行っています。まず、高付加価値の商品づくりに力を入れています。個性を反映した製品を市場に提案し、工賃の向上を目指します。また、制作に加えて接客、SNS運営、イベント企画など多様な役割を用意し、利用者が自身の得意分野を活かせる環境を整えています。さらには、アパレルブランドやカフェとコラボし、作品が外部と接点を持つ機会を設けることで、さまざまな文化との融合を図っています。

参加者の声と未来への希望

オープン前に行われた店舗見学会では、参加者からワクワクする声が多数聞かれました。「原宿の真ん中で自分の作品が並んでいるのが嬉しかった」「お客さんに感謝されて嬉しかった」といった体験談が語られました。
これらの言葉は、irotoaが目指す“やってみたい”という気持ちを育む場としての役割を感じさせます。小さな挑戦が自信に変わり、その人らしい働き方や暮らしへと繋がっていくことを期待されています。