ベクター・ジャパンが新たなテスト機能を発表
2026年1月12日、ドイツのシュツットガルトに本社を置くベクター・ジャパンは、モーター制御ユニット(MCU)のテスト環境に「Model Option Electric Motor」という強力な新機能を追加したと発表しました。これは、CANoeのバージョン19以降の環境で利用可能で、電気モーターの制御ユニットの早期テストを実現するために設計されています。
早期テストの実現
新機能には、電気モーター用の構成済み物理シミュレーションモデルが含まれています。このモデルは、実際のコンポーネントが手に入る前でも、早い段階でのテストを行うことが可能です。対象となるのは、永久磁石同期モーターやブラシレスDCモーター、誘導モーター、従来のDCモーターなど、様々なタイプの電気モーターです。これにより、開発者は製品の性能や反応をリアルタイムでシミュレーションし、現実的な場面に近い状態でテストを行うことができます。
クローズドループ制御による安定性
新たに搭載された物理シミュレーションモデルは、クローズドループ制御を介してテスト対象の制御ユニットに一貫した現実的な入力シグナルを提供します。MCUへのインターフェイスは信号レベルで動作するため、高電流や高電圧を避けることができ、安全性を確保したまま、精度の高いテストを実施可能です。
高周波シグナルによる柔軟なテスト
モーター制御の検証には、高周波パルス幅変調(PWM)シグナルが使用されます。これにより、モデルはベクターのマルチI/OモジュールVT5838上で効果的に実行されます。このテストセットアップを使うことで、実際の動作条件下でのモーター制御の確認や、CANoeを利用したフォールトインジェクションテストが可能です。
簡単な構成と調整
新機能の利点は、構成済みのシミュレーションモデルをFPGAモジュールにワンクリックでロードできる点です。これにより、すぐに使える状態となり、さらにCANoe内でパラメータを簡単に調整することで、実際のモーター特性に最適化することができます。また、Simulinkライブラリを自由に活用できるオープンモデルも提供されており、センサーやインバーターの追加を通じたモデルのカスタマイズが可能です。
幅広いアプリケーションへの対応
CANoe Model Option Electric Motorは、アクチュエータやトラクションモーター用の電気モーター制御ユニットに特化した開発者やテストエンジニアに向けて設計されています。さらに、ベクターのDYNA4を利用したバーチャルテストドライブを通じて、車両全体の検証を容易に拡張することも可能です。
この新機能は、制御設計の最適化と検証をサポートし、電気モーターやそのコンポーネントの開発とテストの効率性向上に寄与するものです。
ベクターについて
ベクターは、ソフトウェア・デファインド・システム(SDS)を構築、ネットワーク化する領域で、リーディングカンパニーとして多くの実績を持っています。35年以上にわたり、自動車業界を中心に、様々な業界に対し、信頼性の高い開発ソリューションを提供しています。現在、世界中で32拠点を展開し、4,500名を超える従業員が在籍しており、今後も成長を続ける予定です。
この新しい機能が今後の電動化社会において、テストと開発の効率をどう改善していくのか、ますます注目です。