ウッドフレンズの新たな挑戦
岐阜県高山市に位置する株式会社ウッドフレンズは、2025年6月6日に自社林で初の植林プロジェクト「植林プロジェクトWF001」を始動しました。このプロジェクトは、都市生活と森林を繋ぐ新たな関係を築くことを目指しており、未利用山林の効果的な活用と森林環境の再生に重きを置いています。
背景と目的
ウッドフレンズは、2011年に集成材工場及びプレカット工場を設立した後、国産材の住宅部材の製造に邁進してきました。近年では、木質住宅部材の開発や中大規模木造建築に関わる事業を展開し、国産材を積極的に活用しています。これに続き、2024年11月には岐阜県美濃加茂市での製材工場の本稼働が始まり、より効率的に森林資源を利用するパートナーシップが構築されました。
WF001プロジェクトは、地域の林業の循環的な発展と木資源を十分に活用することに精力的に取り組み、「木質資源カスケード事業」に基づく試みです。この事業では、森林の生態系と環境を保全しながら、持続可能な開発を志向しています。
植林の計画
本プロジェクトでは、スギやヒノキの針葉樹、ナラやミズナラ、ホオノキの広葉樹をバランス良く植樹することで、森林の多機能性を持続的に引き出すことを目指しています。針葉樹は成長が早いため、二酸化炭素の吸収効果も期待できます。選定された“エリートツリー”スギは、成長が優れており、植林サイクルを短縮することで持続可能な炭素固定に寄与します。また、選ばれた小花粉スギ品種は、カーボンニュートラルへの貢献と合わせてスギ花粉問題の軽減にも寄与するとされています。
植林体験と交流
プロジェクトでは、自然応用科学株式会社と連携し、社員による植林体験も行いました。2024年11月に操業開始する製材工場の社員6名が、実際に苗木を植える活動を通じて、自らの手で森林づくりを体感しました。この体験は、自然とのつながりを再認識させ、林業の重要性を理解するきっかけとなりました。
将来への展望
ウッドフレンズは、この植林プロジェクトをモデルケースにし、今後も他の自社林で同様の取り組みを推進する計画です。地域の森林環境を更新し、カーボンニュートラルへの協力、および生物多様性の向上に取り組むと同時に、「木質資源カスケード事業」によって地域経済の活性化にも注力していく意向です。地域社会との共生を図り、持続可能な社会の構築に尽力するウッドフレンズの今後の活動に期待が高まります。
プロジェクトの基本情報
- - プロジェクト名称: 植林プロジェクトWF001
- - 対象地: 岐阜県高山市国府町瓜巣地区
- - 対象面積: 約1.3ヘクタール
- - 実施期間(初年度): 2025年5月〜2026年4月
- - 構成樹種: スギ(エリートツリー・小花粉品種)20%、ヒノキ20%、ナラ20%、ミズナラ20%、ホオノキ20%
- - 協力会社: 自然応用科学株式会社
これらの取り組みにより、ウッドフレンズはより良い未来を次世代に手渡すための一歩を踏み出しています。地域の資源を大切にし、持続可能な森づくりへ向けた挑戦は、他の企業や団体へも波及していくことが期待されています。