自動車内装材から生まれた新素材「REOCA」
リファインバースグループは、今月12月8日より、自動車内装材の端材から再生した新素材「REOCA」を販売開始します。この取り組みは、持続可能な社会の実現を目指し、環境負荷の軽減に寄与することが期待されています。
開発背景
自動車内装材は車種によって異なる形状にカットされる過程で、多くの端材が発生します。全世界で年間約14万トン、日本だけでも年間約1万6千トンもの端材が出ているのです。従来は、これらの端材はサーマルリカバリー(焼却による熱回収)で処理されてきましたが、複合素材であるため再資源化が難しいという課題がありました。
リファインバースグループは、トヨタ紡織との協業を通じて、自動車内装材のリサイクルの新たな道を模索しました。その結果、世界初のマテリアルリサイクルに成功し、廃棄物から新たな価値を生み出すことに成功しました。この「REOCA」は、自動車内装から道路のインフラへとつなぐ新しい循環、いわば「Car to Car」循環を実現するものです。
「REOCA」の特性
「REOCA」をアスファルトに0.2%添加することで、一般的な改質アスファルトと比較して耐久性が約2.3倍向上します。近年、自動運転技術が進展している中、舗装の耐久性はますます重要です。特に同じ道路を繰り返し走行する自動車の影響で、特定の場所に大きな負荷がかかることが予想されます。
「REOCA」の添加によって、わだち掘れ(タイヤが通過する部分の変形)を大きく抑制し、舗装の寿命を延ばすことが期待されます。これにより、道路のメンテナンス頻度を減らし、コスト削減も可能となるのです。
環境への貢献
自動車内装材の処理方法を従来のサーマルリカバリーからマテリアルリサイクルに転換することで、CO2の排出を約90%削減できるとされています。また、「REOCA」を使用することで、アスファルト製造時におけるCO2排出量も、バージン原料の改質アスファルトに対して約40%削減可能です。
この新素材「REOCA」は、資源循環とインフラの課題を同時に解決する次世代舗装ソリューションとして、さまざまな用途での展開が期待されています。
実証実験の結果
2025年3月にはリファインバースグループ一宮工場で「REOCA」を使用した駐車場の舗装実証実験が行われる予定です。施工から半年経過した現在でも変形やひび割れは見られず、高い舗装性能が確認されています。これは、今後の商業施設や物流拠点に向けた展開の基盤となります。
今後の展望
リファインバースグループは、今後も自動車内装材のリサイクルを進め、さらに用途拡大を図る予定です。トヨタ紡織との協業も強化し、持続可能な素材の開発に取り組むことで、資源循環社会の構築を目指します。
持続可能な未来に向けて、リファインバースグループは、革新的なリサイクル技術を駆使して社会課題の解決に貢献していきます。