バリアフリーの実現を目指して
近年、社会が多様化する中、インクルーシブデザインの重要性が高まっています。そんな中、野村不動産ホールディングス株式会社は、視覚障がい者や車いすを利用する方々に配慮した「アクセシビリティ・マップ」を新たに公開しました。
インクルーシブデザインの推進
野村不動産は「ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」を掲げ、多様な視点を活かしたアプローチを演出しています。この方針に基づき、特に障がい者が利用しやすい環境づくりを進めています。
本年8月には、同社の拠点である「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」において、実際に障がい者の方々と協力しながら、必要な情報やルートを取り入れたアクセシビリティ・マップが作成されました。このマップは、障がいのある方々が安全に来館するための情報を提供し、実際の行動に活かせるよう設計されています。
アクセシビリティ・マップの機能
公開されたマップには、周辺駅からのアクセス情報や、訪問時の注意点などが示されています。また、視覚障がい者向けには音声読み上げ機能と共に使用する道案内も整備されています。これにより、事前にルートを確認することで、安心して訪れることが可能になります。
制作過程
このマップの制作においては、車いす利用者や視覚障がい者を対象としたワークショップが計3回行われました。参加者のリアルな声を反映しながら、移動しやすいルートの調査やマップの草案作成を実施。このような市民参加型のプロジェクトは、情報を正確に把握するための有効な手段となっていました。
1.
第1回では、周辺駅からのルートを調査し、実際に車いす利用者が必要とする情報を集めました。
2.
第2回では、初回の調査の結果を基にしたアクセシビリティ・マップを使用し、必要な改善点を洗い出しました。
3.
第3回では、視覚障がいのある方と共にガイド体験を行い、道案内の精度を向上させるための意見を交換しました。
マップの今後の展望
これらの取り組みを通じて得られた知見は、今後のインクルーシブなまちづくりにも活かされます。定期的にマップを更新し、変化する環境に対応できる体制を整えていく方針です。これは、ただの情報提供にとどまらず、利用者が直面するリアルな課題を解決するための第一歩となります。
企業としての責任
野村不動産は、社会の一員としてより良い環境を提供する責任を感じており、公益財団法人日本パラスポーツ協会(JPSA)との提携を通じて、障がい者アスリートの応援にも力を入れています。すでに8名の障がい者アスリートが各分野で活躍しており、この流れは今後も続けていく予定です。
まとめ
インクルーシブデザインを重視した野村不動産の取り組みは、「すべての人が利用できる空間」を目指し、新たな価値を創造するための道を開いています。新しいアクセシビリティ・マップは、その一環として多くの方々に利用されることが期待されています。私たちの周囲にある空間を一緒により良いものにしていくために、引き続き注意を払っていくことが求められています。