新居浜高専の出前講座
愛媛県新居浜市に位置する新居浜工業高等専門学校(通称:新居浜高専)は、地域の教育・文化振興を目的とした取り組みの一環として、鬼北町立広見中学校で中学生を対象にしたバイオテクノロジーの出前講座を開催しました。これは、令和4年に締結された包括連携協定に基づくもので、今年で3回目の開催となります。
遺伝子組み換え実験の実施
出前講座は令和7年8月19日と20日の二日間に渡り行われ、新居浜高専の生物応用化学科と環境材料工学科に所属する2年生8名が講師を担当しました。参加した中学生は、クラゲ由来の蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を大腸菌に組み込む遺伝子組み換え実験に取り組むと共に、タンパク質分解酵素の働きを研究するミニ実験も行いました。
実験の結果、見事に光を放つ大腸菌が培養され、参加した中学生たちからは「DNAや遺伝子のことが身近に感じられておもしろかった」「新居浜高専に興味が湧いた」「来年もまた参加したい」といった嬉しい感想が寄せられました。この取り組みは、バイオテクノロジーや化学、さらには高専進学への強い関心を育むものとなりました。
知識の伝達と影響
特に注目すべき点は、2年前にこの包括連携協定に基づいて開催された「鬼北町×新居浜高専フォーラム」に小学生として参加した生徒が、今回の実験に中学生として再登場したことです。彼はその経験を通じて、科学への興味をさらに深めていました。新居浜高専のこれらの講座は、科学への関心を育成し、生徒たちの学びの場として非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
教えることの大切さ
また、学生たちにとっても、中学生に教えることは貴重な学びの機会でした。自らの学んだことを他者に伝えることで、理解が深まるだけでなく、自身の知識に対する自信にもつながります。今後もこのような実践的な経験を通じて、教え教えられる関係が生まれることが期待されます。
今後の展望
新居浜高専は、今後も鬼北町との連携を深め、地域に根ざした教育事業を展開していく方針です。今回の講座に続いて、さらなるバイオテクノロジーやAI技術を利用した活動を通じて、地域の活性化へとつなげていくことを目指します。教育を通じた地域との密接な関係が、未来の科学者や技術者を育む土壌を形成し、持続可能な社会の実現に寄与することでしょう。
出前講座の概要
- - 日時: 令和7年8月19日(火)・20日(水)
- - 場所: 鬼北町立広見中学校理科室
- - 内容:
1. 微生物DNA実験: クラゲ由来の遺伝子を大腸菌に組み込み、光らせる遺伝子組み換え実験
2. タンパク質分解酵素のはたらきを見てみよう: タンパク質分解酵素の働きを調べるミニ実験で酵素の役割を体感
このように、新居浜高専が地域の中学生に向けたバイオテクノロジー教育を進めていることが、科学分野への興味や理解を広げる重要なステップであることが明らかになりました。今後の取り組みにも期待が寄せられます。