2026年卒学生の就職希望先に見る企業選びの傾向と人気理由
2026年3月に卒業予定の大学生・大学院生を対象に実施された、産経新聞社とワークス・ジャパンによる「就職希望先調査」の結果が発表されました。この調査では、志望理由別に人気企業がランキング形式で示されており、合計で4,512件の有効回答が集まりました。これにより、学生がどのような観点から企業を評価しているのかが可視化され、今後の就職活動におけるトレンドを理解する上で非常に参考になります。
国際的な仕事ができる企業が人気
「国際的な仕事ができる」という志望理由で最も高い人気を誇ったのは、伊藤忠商事です。同社は世界中に拠点を持ち、グローバルなビジネスを展開していることが評価されました。特に文系の学生からはその国際的な活動に対して強い支持が寄せられ、同社は文系総合ランキングでも1位に輝くなど、印象的な結果となりました。
続いて、2位には三菱商事、3位には三井物産が続き、総合商社がTOP3を占める形となりました。三菱商事は豊富な海外プロジェクト、三井物産は多様な業種での国際的なビジネス機会を提供しているため、学生たちにとって魅力的な選択肢となっています。
また、4位には日本郵船、5位には日本航空(JAL)がランクイン。日本郵船は海運業界のリーディングカンパニーとしての存在感があり、日本航空はその国際線の充実度が学生に評価されています。全日本空輸(ANA)も同様に6位にランクインしており、これらの企業が提供する多彩な国際的業務機会は、特に海外でのキャリアを希望する学生たちにとって大きな魅力として映ったようです。
アクセンチュアの強さ
次に注目を集めたのは、コンサルティング大手のアクセンチュアで、「やりたい仕事ができる」「自己成長ができる」という2部門で首位を獲得しました。アクセンチュアは、多様なキャリアの選択肢を提供しており、職種別採用に取り組んできたことが学生に支持されている要因です。また、女性が活躍している企業としても2位にランクインしており、従業員が成長できる環境が整っていることが評価されています。
社風への評価が企業選びに影響
「社風の良さ」はもうひとつの重要な指標であり、こちらで1位に輝いたのは損害保険ジャパンです。企業の取り組みやコミュニケーションのあり方が学生に好印象を与えたようです。2位にはサントリーホールディングスが入り、その企業が掲げる「人」が重要な経営基盤であるというメッセージや、SDGsへの積極的な取り組みも学生から高く評価されました。
学生の志望理由に見える企業の魅力
調査結果には他にも、「女性が活躍している」「商品力・企画力がある」など多様な志望理由が反映されています。これにより、学生たちが求める企業の姿勢や文化、さらには提供されるキャリアの選択肢の多さが求められていることが明らかとなっています。今後の就職活動において、こうした傾向はますます強まっていくことでしょう。
調査概要
この調査は2024年4月8日から11月30日までの期間に実施され、全国の大学3年生および大学院1年生を対象に行われました。調査方法として、就職対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催のイベントでアンケートが告知され、集計が行われました。学生たちの希望企業について、志望理由を自由に選択してもらい、それを基に人気ランキングが作成されたことから、リアルな声が企業選びに反映されています。
まとめ
2026年卒業予定の学生にとっての就職先選びは、国際性や社風、成長機会の豊かさなどが重要視されています。企業はこうした学生のニーズに応えるため、より魅力的な職場環境を整えていく必要があるでしょう。