新しい高卒採用モデルの実現に向けて
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は、株式会社MoonJapan(以下、MoonJapan)との基本合意書(MOU)を締結し、教育の現場で蓄積された生徒の探究学習データを活用した新たな高卒採用モデルの実証実験を始めることを発表しました。この取り組みは、生徒一人ひとりの持つ非認知能力を明確化し、未来の職場において相応しい評価を受ける可能性を高めるものです。
「8掛け社会」とその影響
日本では、2040年頃に生産年齢人口が現在のおよそ8割に減少していくことが予測されています。これにより、少子高齢化の影響による深刻な労働力不足が懸念されています。高卒採用は、若手人材が社会に出る重要なステップであり、その質が今後の社会を支える上でのカギとなります。
高卒採用の現状と課題
厚生労働省によれば、高卒就職者の約38%は3年以内に離職しているとのことです。多くの場合、この離職は採用時のミスマッチが主な原因として挙げられています。このような現状の中で、探究学習を通じた生徒の非認知能力を採用時にどのように活用できるかが問われています。
探究学習と非認知能力
最近の教育現場では、総合的な探究の時間などを通し、生徒は自分自身で課題を設定し、試行錯誤を重ねながら成長しています。この過程で育まれるのは、やり抜く力や協調性、課題解決力といった非認知能力です。しかし、これらは従来のテストでは評価しにくく、進路選択や採用時に十分に活用されていないのが現状です。
新たな高卒採用モデルの創出
本実証実験では、MoonJapanが提供する探究学習プラットフォームを通じて蓄積された生徒の活動データを構造化します。生徒の活動ログや成果物、教員からのフィードバックを最適に整理し、ルーブリック評価を用いることで彼らの非認知能力を可視化します。これにより、教員や学校間の評価のばらつきを是正し、学校と企業間の客観的なデータに基づいた意思決定を促進しようとしています。
企業と学校の新しい関係構築
今回の取り組みにより、企業は単なる面接や書類審査に頼ることなく、生徒の特性や強みをより深く理解し、採用の納得感を高めることが期待されます。さらに、探究学習データを新卒の配置や育成に活用することで、早期戦力化と定着率向上にも寄与することが期待されています。
一方で、学校や生徒においては探究学習を通じての学びが進路やキャリアに直結する実感を高め、生徒は自らの強みを明確に言語化することで進路選択の質を向上させることができるでしょう。
持続可能な社会への道
キヤノンMJは、社会課題の解決を目指しオープンイノベーションを積極的に進めています。この実証実験を通じて、8掛け社会が進む中での人手不足問題に立ち向かい、教育と企業の相互理解を深め、誰もが自分らしく活躍できる持続可能な社会の構築に貢献することを目指します。
この新しい高卒採用モデルが、未来の若者にどのような新たな道を開くのか、注目が集まります。