女性キャリア形成をサポートする新機能が登場！キャリウムの取り組み

三井物産の子会社であるキャリウム株式会社（東京都港区）が、キャリア戦略支援ツール「キャリアフォース」に新しい機能を加えました。この機能は、約100万人のキャリアデータを基に、ジェンダー別にキャリアパスを可視化するものです。これにより、特に女性ユーザーがよりリアルなキャリアの選択肢を見つける手助けを目指しています。

日本のビジネス社会におけるロールモデルの不足

多くの女性がキャリアを形成する過程で直面する課題の一つは、身近な女性のロールモデルが不足していることです。キャリアフォースを利用する女性ユーザーからは、「自分に近い女性のキャリア事例が見つからない」といった声が多く寄せられています。雑誌やメディアに登場する成功者ではなく、同じような境遇にいる女性の事例を知りたいというニーズが高まっています。

日本社会では、管理職に占める女性比率が依然として低く、家庭と仕事を両立させることが難しい環境が存在します。これが、女性が同じキャリアパスを歩んできた人を見つけにくくする要因となっています。そこでキャリウムは、ユーザーが性別という軸から自らのキャリアパスを探ることで、新たな選択肢を提供できると考え、新機能を開発しました。

ジェンダー別キャリアパス可視化機能の詳細

(1) 母集団をジェンダー別に絞り込む

今回のアップデートでは、キャリアフォースのデータベースからユーザーと同じ業界や職種でキャリアをスタートした人々の母集団を、「女性のみ」「男性のみ」でフィルタリングできるようになりました。これにより、女性のキャリアパスや男性のキャリアパスを別々に比較・検討できるようになります。

(2) 現実のキャリア遷移を可視化

この機能は、過去のデータに基づく実績をもとに、どのようなキャリア遷移が実際に発生しているのかを地図形式で示します。たとえば、同じ職種から出発した女性がどの会社に転職しているか、また男性との遷移の違いが何かを把握することができます。

(3) 若手女性も現実的なキャリアモデルを探索

成功者のインタビューや特別な成功事例ではなく、自分と同じスタート地点からのリアルなデータをもとに、近いロールモデルを見つけることができるため、キャリアの将来を具体的に描きやすくなります。

本機能の提供がもたらすメリット

この新機能は以下のような価値を提供します：

- 女性ユーザーにとって : 身近なロールモデルが実データから見つかることで、キャリアの選択肢が広がり、自らの将来をデータに基づいて選びやすくなります。
- 企業やキャリアアドバイザーにとって : 女性のキャリア支援における説得力のあるデータを提供することで、性別によるキャリア分岐の分析やDEI施策の強化に寄与します。
- HR部門にとって : 男女のキャリア遷移データを基に人材戦略や育成方針の再考につながります。

代表者のコメント

キャリウムの代表取締役成原大敬氏は、次のようにコメントしています。「私たちは、女性ユーザーから寄せられた“自分と同じ境遇の女性のキャリアが知りたい”という声を受け、この新機能を開発しました。これにより、女性たちが自身のキャリアを前向きに設計できるデータベースを提供し、キャリア形成におけるジェンダーの壁に挑戦していきます。」