最近、株式会社ミマモルメと日本電気株式会社(NEC)が、子どもたちの安全を守る新しい見守りサービスの実証実験を始めました。このサービスは、顔認証技術を活用し、子どもの登下校や習い事施設での出入りを保護者がリアルタイムで確認できる仕組みです。
この実証実験の第一段階として、神奈川県川崎市にある「NECグリーンスイミングクラブ」で、スイミングスクールに通う子どもたちの入退館を顔認証によって検知し、その情報が自動的に保護者に通知される試みが行われています。具体的には、子どもが施設に入館した際、「入館通知」が保護者に送信され、退館する際には「退館通知」が届く仕組みです。これにより、保護者は子どもたちが無事にその場所に到着したり、出発したりしたことを把握でき、安心感を得ることができます。
また、従来の手法では必要とされていた二次元コードやカードによる打刻が必要ないため、持参の忘れ物問題も解消されることが期待されています。これにより、家庭内の行動がより効率的に行えるようになります。
このサービスの背景には、共働き家庭の増加や子どもを狙った犯罪が増えている現状があります。そのため、子どもの移動状況を可視化するニーズが高まっています。ミマモルメとNECは、技術的な信頼性を重視しながら、保護者が安心して生活できる環境の構築と生活の利便性を高めることを目指しています。実証実験の結果は、今年度中にサービス化される予定です。
実証実験は2025年の8月8日から10月24日までの期間、スイミングクラブで行われる予定で、参加対象はスイミングクラブに通う子どもたちとその保護者です。この試みでは、顔認証を活用した入退館の検知精度や利用者満足度を検証することが目的となっています。
今後の展望として、タブレット端末1台で導入可能なシンプルな構成になっているため、特別な設備投資なく、比較的安価に導入できる点が挙げられます。これにより、全国の教育施設や親子向けの施設への展開が期待されています。DEであるNECは、独自の価値創造モデル「BluStellar」のもと、優れた技術と業種横断的な知見を活かして、社会課題解決を目指しています。また、NECが提供する顔認証技術は、米国国立標準技術研究所における評価で世界一の精度を誇っており、その信頼性も高いとされています。
両社は、保有するノウハウと技術を融合させ、新たなサービスを生み出すことで、利用者が安心して暮らせる社会作りを進めています。子どもたちの安全を守る新しい取り組みとして、この見守りサービスがどのように進化し、広がっていくのかに注目が集まっています。