KADOKAWAの事業回復状況
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、取締役社長:夏野剛)は、6月8日に発覚したサイバー攻撃によって多大な影響を受けた事業の回復に向けた取り組みを進めています。この攻撃は、同社グループのデータセンター内のサーバーに対するものであり、その影響で様々な事業活動が一時的に停止しましたが、現在は再建の道を着実に歩んでいます。
事業活動の再建
KADOKAWAは、攻撃の発生以降、特に経理機能と出版事業の回復を最優先として強力に取り組んできました。経理機能は既にアナログ対応を含めて平常状態に戻り、出版事業も8月から徐々に出荷ボリュームが回復しています。特に8月中旬以降は、出荷部数が平常時の水準に達する見込みです。
出版事業の現状
出版事業においては、サイバー攻撃発生時に関連サーバーを緊急シャットダウンする措置が取られました。これによりデータの保全が図られたものの、出版製造や物流システムが大幅に停止しました。その後、安全なネットワークを構築し、アナログによる対応にも力を入れ、6月には新刊の出荷を維持することができました。しかし既刊の出荷部数は平常時の3分の1ほどにまで減少してしまいました。
8月からはシステムが復旧しつつあり、出荷も回復しています。特にDOT(Direct Order Tablet)システムの再稼働と、それに伴う販売施策の強化を通じて、失った収益を取り戻す努力が続けられています。これにより、事案発生以降の出荷保留分もカバーし、タイトルが店頭で不足する事態を防ぐべく、着実に改善が図られています。
その他の事業の回復状況
KADOKAWAのWebサービス事業も影響を受けましたが、8月5日には「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」のサービスが復旧しました。このような主要なサービスの再開に伴い、9月には全てのサービスの復旧が見込まれています。また、MD事業においては主要商品の販売が概ね平常通り行われており、オンラインショップなどでの復旧対応も進行中です。
課題と影響の分析
今回の事件がKADOKAWAの連結業績に与える影響については、現在精査を行っています。情報漏洩についても社外のセキュリティ専門企業と協力し、詳細な調査を行っている段階です。結果が判明次第、速やかに公表する方針です。
まとめ
KADOKAWAは、サイバー攻撃という試練を乗り越え、商品・サービスの安定的な提供を早期に実現するために全力を尽くしています。今後も事業の持続的な成長を目指し、影響が早急に回復することを期待しています。