日本医師会の松本吉郎会長は、11月26日に定例記者会見を開催し、その模様を公式YouTubeチャンネルで公開しました。この会見では、インフレ下における賃金・物価上昇への対応が主なテーマとなり、診療報酬改定に向けた具体的なアプローチが示されました。
まず松本会長は、診療所の約40%が赤字である現状を指摘し、さらに多くの病院が同じ状況に直面していることを強調しました。彼は、財源が診療所から病院に移行されることによっても、地域の医療提供体制が改善されないとの見解を示しました。「このままでは何も解決しない」と述べ、財源の純粋な上乗せが必要であると訴えました。また、今後の対応策として、まずは補正予算で医療機関の「止血」を行い、その後、令和8年度の診療報酬改定で根本的な対応を進める必要があるとの見解を示しました。
次に、茂松茂人副会長が国宝「医心方」のユネスコ「世界の記憶」登録に向けた取り組みについて報告しました。11月17日に行われた仁和寺での視察について説明し、2027年の申請、2029年の登録を目指して活動を続けるとしました。
また、城守国斗常任理事は医師の働き方改革と地域医療への影響についての日本医師会調査の結果概要を発表しました。この調査では、一部項目において増加が見られたものの、全体的には大きな影響はないとの見方を示しました。これを受け、日本医師会は医師の健康確保と医療の質を両立させるために、引き続き関係団体と連携しながら努力する意向を表明しました。
最後に、黒瀬巌常任理事が12月7日に開催される地域に根ざした医師会活動プロジェクト第5回シンポジウムについて紹介しました。このシンポジウムは「こどもの救急」というテーマで、当日はライブ配信も予定されており、多くの人々に参加を呼びかけました。
松本会長の会見は、地域医療における重要な課題を浮き彫りにするものであり、日本医師会の今後の方針が注目されます。今回の会見資料は公式サイトで確認でき、その内容は専門的な視点からも重要な情報を提供しています。日本医師会は、医師の生涯研修や地域医療の推進、公衆衛生の向上に貢献するため、さまざまな取り組みを続けています。興味のある方は、ぜひ公式YouTubeチャンネルやLINEの公式アカウントもチェックしてみてください。