AI検索時代における消費者行動を探る特別セミナー
2026年5月26日に、株式会社マイベストがヴァリューズ社と共催で特別セミナー「マイベストデータラボ第1弾」を開催しました。このセミナーでは、AIによって変化した消費者の購買行動やマーケティング戦略について深く掘り下げました。参加者は50名以上にのぼり、AI時代におけるマーケティングの新たな課題と機会を共有しました。
開催の背景
AIの急速な普及によって、消費者が情報を収集し、意思決定を行うプロセスは劇的に変化しています。ヴァリューズ社のデータによると、主要検索エンジンの利用者数はほぼ横ばいであり、「検索離れ」は実際には起きていないとされます。しかし、検索しても結果をクリックせずに離れる「ゼロクリック率」は上昇傾向にあり、これは特にGoogleの検索結果にAIによる概要表示が増えるにつれて加速しています。この状況は「グレートデカップリング」と呼ばれ、多くのWebサイトが影響を受けています。この環境変化に対抗するため、マイベストは自社データを活用した消費者行動の分析を行い、その知見を発表する場を設けました。
データから見える消費者行動の変化
月間3000万人を超えるユーザー行動データを分析した結果、ゼロクリックの時代においても、売上効率や平均滞在時間、そして読了率は上昇していることが解りました。このことから、ユーザーが今まで以上にコンテンツを深く消費していることが明らかです。AIに頼って情報を得るユーザーが増え、「最終確認」のためにマイベストを訪れる傾向が強まっていると考えられます。
例えば、AI経由のユーザーは、他の検索経由のユーザーに比べて読了率、クリック率、そして購買率が高くなっています。このことは、AIが直接答えを提供することで、本気で情報を探しているユーザーだけが残るという現象を示しており、ユーザーの「質」が高まっているとも言えます。また、AIが引用しやすいコンテンツの特徴として、専門家の知見や一次データが蓄積されているものが挙げられ、こういった品質のコンテンツがAIからの流入を促進しています。
ヴァリューズ社の消費者行動分析
ヴァリューズ社のセミナーでは、消費者の行動モデルが「さぐる」と「かためる」という二つのモチベーションから進化していることが示されました。これは「バタフライ・サーキット」と呼ばれる新たな情報探索行動モデルに基づいています。このモデルでは、消費者の検索動機が8つに分類されており、特にAI時代に注目すべきなのは「答え合わせ」の動機です。AIで得た情報を基に、自身の選択が正しいかを確認するために、マイベストのような一次情報サイトを訪れるプロセスが形成されています。
今後の戦略
マイベストは、AI時代の情報インフラを目指し、ユーザーが信頼できる情報を得られるよう取り組んでいきます。具体的には、一次情報と検証データへの投資を継続し、AIに信頼される情報源としての地位を確立するためのデータ整備やコンテンツ設計を強化します。また、3000万人超のユーザーデータを基に、ターゲティング広告やブランディングの効果を向上させていく方針です。
さらに、中長期的には商品検証データをAIエージェントに提供し、さまざまな購買シーンで消費者に「納得できる選択」をサポートする情報インフラを構築することを目指しています。
まとめ
AI時代の消費者行動をテーマにしたセミナーは、マーケティング戦略の新たな方向性を示唆し、参加者にとって貴重な知見を得る機会となりました。これからの消費者行動を理解する上で、AIの影響を考慮することは重要であり、マイベストとヴァリューズの取り組みが今後のマーケティング戦略においてどのように生かされていくか注目です。