HISとローソン、ペロブスカイト太陽電池を用いた実証実験を推進
株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)と株式会社ローソンは、環境に配慮した新しい技術の実証実験を行います。この実証実験では、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を使用しており、2024年12月16日からローソン北大塚一丁目店にて開始します。今回はこの取り組みの詳細や意義についてご紹介します。
ペロブスカイト太陽電池とは
ペロブスカイト太陽電池は、その名の通りペロブスカイト結晶構造を持つ物質を中心にした次世代の発電技術です。この電池は、高い発電効率に加え、軽量で柔軟性があるため、さまざまな設置方法が可能とされています。また、太陽光だけでなく、室内の照明からも発電ができる特性を持っています。
HISは、ポーランドのスタートアップ企業、Saule Technologiesに出資しており、その製品の日本およびアジア地域における独占販売権を有しています。スムーズな導入を通じて、持続可能な発電技術の普及を目指しています。
実証実験の内容
実証実験では、以下の3つの機器がローカル店舗に設置されます。これらの機器は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池から供給される電力を利用して運用されます。
1.
電子棚札
従来のボタン電池の代わりに、新しいフィルム型ペロブスカイト太陽電池を動力源として使用します。これにより、室内光で発電した電力を利用して、遠隔から商品情報や価格の表示内容を変更できるようになります。これにより、より効率的な在庫管理や情報更新が可能になるでしょう。
2.
電子ペーパー
単なる紙製POPの代わりに、電子ペーパーを用いてお店内の情報を表示します。ペロブスカイト太陽電池からの電力で、内容の変更が遠隔操作で行え、手間を省くことができます。このテクノロジーによって、店舗内の情報伝達がスムーズになると期待されます。
3.
発電パネル
店内の壁面にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、その電力を電子ペーパーディスプレイの運転に活用します。こうした取り組みにより、店舗全体がエコで持続可能な運営が可能になります。
実施店舗の詳細
この実証実験は、東京都豊島区の「グリーンローソン」(ローソン北大塚一丁目店)で行われます。\
住所:東京都豊島区北大塚1-13-4(JR山手線大塚駅から徒歩約4分)\
Saule Technologiesとは
Saule Technologiesは、2014年にオルガ・マリンキエヴィツによって設立され、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでいます。2021年には、世界初のペロブスカイト太陽電池の専用製造ラインを完成させ、生産を開始しました。この革新的な企業の技術が、店舗運営やさらには社会全体にどのように貢献するのか、今後の展開に期待が寄せられます。
おわりに
HISとローソンが共同で行うこの実証実験は、脱炭素社会を目指す動きとして非常に注目されています。新たな発電技術の実用化に向けた一歩であり、今後の進展が楽しみです。地域社会における環境意識の高まりと共に、店舗でのエコ技術の導入が進んでいくことでしょう。