カーシェアリングサービスに関する利用者の問い合わせ傾向
株式会社TMJが運営するモビリティ専門コンタクトセンター「Mobilish」において、カーシェアリングサービス利用者からの問い合わせ内容について、2023年から2024年の期間中のデータを分析しました。この調査からは、カスタマーサポートへの問い合わせがランキング形式で明らかになり、業界における課題やユーザーが気をつけるべきポイントが示されたことが特徴です。
調査の目的と背景
TMJは、モビリティサービス専門のコールセンターとして、国内のカーシェア事業者の過半数以上のカスタマーサポート業務を受託しています。このため、利用者から寄せられる意見や問題点を幅広く集約することができます。今回のランキングは、カーシェアリングがより快適に利用されるための貴重なデータになっています。
問い合わせランキングの主要な結果
調査の結果、最も多い問い合わせ内容は「忘れ物」で、その割合は20.6%となりました。この結果は、利用者自身の忘れ物と、前の利用者の物が車内に残されていた場合の両方を含んでおり、特にスマートフォンやETCカードの置き忘れが目立ちます。
次いで「無断超過」の問い合わせが9.6%、そして「延長」の問い合わせが8.9%を占めています。これらは、利用者が時間を守れなかったり、交通渋滞に巻き込まれたりした結果起こる問題です。
さらに「ルールマナー関連」の問い合わせも5%あり、車両の返却時に清掃不足や、喫煙やペットに関する問い合わせが一定数存在することが分かりました。これらの結果は、共同利用であるカーシェアならではの特徴を如実に表しています。
繁忙期と閑散期の問い合わせ件数の差
調査では、繁忙期では閑散期の約5.6倍にあたる問い合わせが見られました。行楽シーズンなどの繁忙期には多くの利用者がカーシェアサービスを利用するため、問い合わせ件数が急増します。この時期にはカスタマーサポートが非常に忙しくなるため、ユーザー自身も事前に計画を立て、必要な確認をしておくことが求められます。
まとめと今後の展望
この調査を通じて、カーシェアが共同利用サービスとして、多くの利用者が直面している課題が明らかになりました。既存のレンタカーシステムとは異なり、カーシェアでは利用者自身が車両の確認やマナーを守ることが重要です。そのため、事前の準備や利用者同士の配慮が求められます。
今後もTMJは、Mobilishを通じてカーシェアサービスの品質向上に努め、顧客からのフィードバックを元に事業者に情報提供を行っていきます。これにより、誰もがより快適にカーシェアリングサービスを利用し、より便利な社会を実現するための一助とすることを目指します。