日本の四季折々の自然の中には、私たちが見逃しがちな豊富な食材が溢れています。その中でも、野草やキノコは特に身近でありながら、多くの人々にとって知られざる存在かもしれません。2025年4月17日、株式会社秀和システムから新たに刊行される『見つけて食べて愉しむ 身近な野草&キノコ180種』は、まさにその魅力を深く掘り下げ、実際に楽しむ手助けをしてくれる一冊です。
この本は、植物関連の著作で豊富な経験を持つサイエンス・ジャーナリストの森昭彦氏、岐阜県でキノコ狩りのプロガイドとして活躍する水上淳平氏、そしてジビエ料理店Gu-niのオーナーシェフである西杉山裕樹氏の三人が共同で執筆を担当しています。彼らはそれぞれの専門分野での高度な知識を駆使し、身近に生えている180種の野草とキノコの見分け方や、それらを使った美味しい料理のレシピを紹介しています。
本書は、食と自然の恵みを楽しむための手引書として最適です。春に芽吹く野草から、夏を彩る花、秋冬の実り、さらには多彩なキノコまで、季節ごとに採取できる食材を詳細ニさつに分かりやすく解説しています。
総旬の春の野草には、ユキノシタ、シオデ、ナンテンハギ、さらにはセイヨウタンポポ群などが登場します。これらは、サラダや料理のアクセントとしても楽しむことができる、おすすめの食材です。夏にはツユクサやクズ、イラクサなどが夏の暑さを忘れさせる味を提供してくれます。
秋冬には、アケビやヤブツルアズキ、または色とりどりの山野草がその姿を見せ、自然の恵みを私たちの食卓に届けてくれます。そしてキノコのセクションでは、特に人気が高いアカヤマドリやマイタケといったキノコの特徴、それに大変美味しい料理レシピが詳述されています。
この本の特筆すべき点は、野草やキノコを単に紹介するだけに留まらず、どのように料理として楽しむかについても、多くのレシピが盛り込まれていることです。芳醇なキノコうどんや季節の野菜をふんだんに使ったピッツァ、あかやまどりのTKG(卵かけご飯)は、もちろんのこと、はなびらのポン酢づけや桜シメジの爽やか塩スープは特に驚きの一品です。
特に、料理の際には、見た目が一見怪しいキノコでも、その中には驚くほどの美味しさが隠れていることが多いのです。正しい知識を持って採取し、料理に取り入れることができれば、自然が持つ恩恵を存分に味わうことができるでしょう。少しの好奇心と勇気を持って、ぜひこの本を手に取り、身近な自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。暖かな陽ざしの中で、のびのびと育つ野草と、豊かな土壌で育った美味しいキノコに心癒されるひとときを味わうことができるはずです。