名城大学の新たな試み
名城大学薬学部と株式会社NTT ExCパートナーが共同開発した「AIオンライン服薬指導学習システム」。この革新的なシステムは、薬剤師の対人業務教育直面する課題を解決するために設計されています。2021年から始まった取り組みの集大成となるこのシステムは、従来の教育方法を革新します。
システムの特徴
この新しい学習システムは、生成AIを活用しており、ユーザーはAI患者と自由に対話しながら服薬指導のトレーニングを行えます。AI患者はユーザーによって設定されるパーソナルデータを基に性格や病歴などがカスタマイズ可能であり、さまざまなシチュエーションに合わせた実習が可能になります。ユーザーとの対話に基づいてフィードバックが行われるため、個々の学習課題を明確に把握できます。
背景と経緯
薬剤師として求められるスキルは、薬の知識だけではなく対人業務に関するコミュニケーション能力も含まれます。患者から必要な情報を引き出し、薬物療法を提案するためには、優れた情報収集能力が欠かせませんが、大学内での実操演習には限界があります。そこで、生成AIの対話技術を利用した学習システムが必要とされていました。このシステムは、4年生向けの「薬物治療マネジメント」科目で活用され、その効果を測定することを目的としています。
実施内容
「薬物治療マネジメント」では、学生が実際の症例をもとにグループで薬物療法を検討します。従来は提示された同じ情報のみで進めていましたが、本システムの導入により、患者情報や複雑な患者の思いも考慮に入れることができます。これは学生にとって、より実践的な学びを提供することができます。
システムの仕組み
システムは、ユーザーの発言をAIが音声認識し、テキスト化します。その後、AIはテキストによる返答を生成し、さらに動画生成AIを用いて自動音声でユーザーに返答します。この過程で、AIキャラクターの口も動くため、対話を通じてリアルな体験が得られるのです。
公開授業の概要
この度、6月17日(火)に名城大学 八事キャンパスにて公開授業が行われます。参加希望者は事前に連絡を行い、媒体への取材申請を行う必要があります。
企業連携の意義
株式会社NTT ExCパートナーは、教育分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、効果的な人材育成に寄与しています。このような試みを通じて、薬剤師教育の質向上とともに、持続可能な社会への貢献をも目指しています。
まとめ
名城大学とNTT ExCパートナーが協力して開発したAIオンライン服薬指導学習システムは、薬剤師の教育に新しい風を吹き込むものです。この革新がもたらす教育効果に期待が寄せられます。