新たな映画制作支援プログラム「TRIPLEX」始動
株式会社SAMANSAが展開するショート映画制作支援プログラム「TRIPLEX」が、このたび映画化プロジェクトとして選出された3作品の発表を行いました。この取り組みは、ショート映画の制作を促進し、新たな才能の発掘を目的としています。「TRIPLEX」では、25分以内のショート映画の脚本や企画を一般から広く募集し、選ばれた作品が実際に制作されます。
「TRIPLEX」とは?
「TRIPLEX」は、ショート映画のサブスクリプションサービスを提供している「SAMANSA」、クリエイションに特化したクラウドファンディングプラットフォーム「MOTION GALLERY」、そして下北沢にある映画館「K2」が共同で立ち上げたプロジェクトです。応募者は脚本や企画を提出し、その中から選ばれた作品についてはクラウドファンディングを通じて資金を調達します。さらに、SAMANSAは制作のすべての段階においてサポートを行い、最大1,000万円の資金提供も行います。
完成した作品は、「K2」での劇場上映に続いて、SAMANSAのプラットフォームで1年間の配信が行われます。また、作品によっては長編化の可能性もあります。これにより、作品が新たな視聴者層に届くことが期待されています。
映画化が決定した3作品
選ばれた3つの作品は以下の通りです。(50音順)
1. 『白雨』 - SFパニックドラマ
監督:鈴木龍
この作品は、車で移動中に母と口論していた奈津菜が、突然道路に落ちてきたカラスをきっかけに奇妙な現象に巻き込まれるストーリーです。降り始めた謎の雨は、全てを乾燥させてしまいます。鈴木龍監督は、以前にも短編映画『化身』を制作しており、多くの映画祭で高く評価されています。
2. 『鯛のあら』 - 怪奇ドラマ
監督:長谷川汐海
遺産整理中の古い家に住む男とその甥が、鯛のお頭からの奇妙な物語に巻き込まれる展開が面白い作品です。鯛が語る物語にそって、若い女性がその家に現れ、共同生活が始まります。長谷川汐海監督は、名古屋学芸大学で学び、今後の活躍が期待されています。
3. 『ゆきおんな』 - ヒューマンホラー
監督:深田隆之
物語は、夫から逃げた江美子が長野県の木曽地方に訪れたことから始まります。そこで出会った謎の男と共に、彼女の現実と幻想が交錯する様子が描かれます。深田監督は過去に多くの映画祭で評価されており、特に民話や folklore に着想を得た作品作りに定評があります。
TRIPLEXの特徴とファンの参加
「TRIPLEX」では、クラウドファンディングによってクリエイターが自らのプロジェクトを資金面でサポートされるだけでなく、ファンとの交流を深めていくことも大きな目的です。ファンからの支援は、作品制作に対する興味を高め、クリエイターとの間に強固なコミュニティを築くきっかけとなります。完成した作品は、映画館での上映後、SAMANSAのアプリで全世界に配信されます。
シネマ『K2』とファンコミュニティ
下北沢に位置するシネマ『K2』は、映画を通じて様々な文化が交わる場として新たな価値を押し出しています。K2では観客が映画の製作過程にも関わることができるコミュニティの仕組みを導入しています。新たな物語を共に紡ぎ出すことを目指し、フィルムの伝統と現代のクリエイティビティの融合を図っています。
SAMANSAの展望
SAMANSAは、月額370円で多様なショート映画を配信するサービスを提供しており、今後も世界中の若手クリエイターを支援し、質の高い映像コンテンツを届けることを目指しています。彼らの発掘プロジェクトは、映画文化の進化に寄与し、更なる成長を遂げることが期待されます。