子ども向け金融教育の加速
最近、子ども向けの金融教育が求められる中、キッズ・マネー・スクールの人気が急上昇しています。このプログラムは、一般社団法人日本こどもの生き抜く力育成協会が2024年1月から11月まで実施予定の開催依頼数が前年比140%に増加し、参加世帯数が1万を超えています。この背景には、キャッシュレス化の進展や子どもたちが直面するネットショッピングやゲーム課金トラブルの増加が影響していると考えられます。
金融教育の必要性
金融広報中央委員会が発表する金融リテラシー・マップには、子どもたちが身につけるべき金融の基本的なスキルが示されています。
具体的には、物には価値があることを理解し、それを大切にする習慣を育むこと、お金の使い方やその価値を意識して選ぶ力を身につけることが求められています。しかし、現実には多くの保護者が「お金の教育」をどのように子どもに教えればよいのか悩んでいます。
特に、キャッシュレス社会の進展に伴い、現金での取引を目にする機会が減少しているため、子どもたちがお金の感覚を養うことが難しくなっています。このような現状が、子どもたちの金銭教育において大きな課題となっています。
ゲーム課金トラブルの増加
ギャップに加えて、子どもたちがゲーム課金に関する問題を抱えるケースが増えています。PIO-NETのデータによれば、2023年度には小中高生によるオンラインゲームに関する相談が3,107件に達しました。この中で、特に小学生が多く、無断課金や課金に気づかないというトラブルが報告されています。
キッズ・マネー・スクールの取り組み
このような状況下で、キッズ・マネー・スクールが注目されています。このプログラムでは、7歳から12歳向けの「うらしまさんも驚いた!便利なお金」や8歳から12歳向けの「こども投資チャレンジ」といったコンテンツを提供し、金融知識を楽しく学ぶ機会を提供しています。「うらしまさんも驚いた!便利なお金」では、クレジットカードや電子マネーといった現代のお金の使い方について、模擬体験を通じて学びます。
一方、2025年1月にリニューアルされる「こども投資チャレンジ」では、投資の基本的な概念を学んだけではなく、具体的な投資手法についても疑似体験できるようになっています。協会の代表理事、三浦康司氏は、「子どもたちには企業や国を応援する意味を理解してほしい」と述べ、子どもたちが身近な企業や製品に興味を持てるような教育を目指しています。
保護者のフィードバック
イベントに参加した子どもたちからは「1円も大切なお金だってわかった」という声や、保護者からは「どう教えればよいかわからなかったので参考になった」という感想が寄せられています。このようにプログラムは多くの家庭に支持されており、金融教育の重要性が広がっています。
今後の方向性
政府は2028年度末までに、金融経済教育を受けた人の割合を現状の7%から20%に引き上げる目標を掲げています。これにより、金融教育の需要は今後も高まる見込みです。キッズ・マネー・スクールは、今後も子どもたちが楽しみながら金融や投資について学べるコンテンツの拡充を進めます。
また、2025年1月には全国で100回以上のイベントを予定しており、既に多くの申込が寄せられているため、追加開催を望む声も上がっています。詳細な開催スケジュールは公式サイトにて確認できます。