Tokyo Artisan Intelligenceが11.1億円の資金調達を完了
神奈川県横浜市に本社を構えるTokyo Artisan Intelligence株式会社(以下、TAI)は、資本業務提携を締結したJR東日本コンサルタンツ株式会社および九州旅客鉄道株式会社と共に、合計約11.1億円の資金調達を成功裏に終えました。この資金は、同社のエッジAIプラットフォーム「SEASIDE-R6」の次世代版の開発に向けた再構成可能AI半導体チップの設計・製造に充てられます。
この資金調達によって実現する技術革新は、エッジAIコンピュータの発展に寄与し、社会が抱える様々な課題の解決を目指します。
資金調達の背景と狙い
TAIのこれまでのFCシリーズにおいては、エッジAIプラットフォーム「SEASIDE-R6」が評価され、特に鉄道や製造業におけるAI処理の安定性が求められてきました。しかし、次世代のシステムにおいては、AI処理の重さや発熱問題が新たな課題です。一方で、TAIは再構成技術を駆使した次世代半導体チップを開発し、これらの課題をクリアする道を切り開こうとしています。
特にFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた技術によって、顧客特有のAI処理に最適化された回路が設計可能となります。これにより、熱問題を軽減し、安全性や効率性の向上が期待されるのです。さらに、来年度からスタートする量産体制の構築に向けて、専門性の高い人材の育成にも取り組む予定です。
投資家からの信頼
今回の資金調達をリードしたのは三井住友海上キャピタル株式会社で、同社の白松昌之氏は、TAIの卓越した技術力や実績を高く評価しています。価格認識技術においては99%以上の精度を誇ることから、特に画像認識や製造業など幅広い分野への応用が期待されています。
TAIの強みは、AIソフトウェアの開発のみならず、耐環境性や省電力性に優れたハードウェアの開発まで網羅している点です。この一貫した開発力が、広範な市場における成長を後押しする要因となっています。
未来への展望
TAIは、今後、国内外での鉄道関連事業を中心に、グローバル市場への進出や新用途の開拓に繋がるビジネス展開を計画しています。中原啓貴CEOは、エッジAI技術とその実装経験を通じて、業務の効率化や人手不足の解消に貢献し、より良い社会の実現に向けた取り組みを続けていく意向を示しています。
TAIの成長は、AI技術の社会実装に貢献するだけでなく、様々な産業分野における革新をもたらす可能性を秘めています。今後の展開から目が離せません。
会社情報
Tokyo Artisan Intelligence社は、2020年設立のベンチャー企業であり、東北大学発の技術に基づいたAIの実用化を目指しています。エッジAI技術を駆使し、産業機器や医療分野などで広範なサービスを提供しており、従業員の専門性を高める努力を重ねています。
詳しい情報は
公式ウェブサイトでご確認ください。