革新素材Craze-tex®がdoubletのパリコレで注目を浴びる
岐阜大学から生まれた革新的なスタートアップ、FiberCrazeが開発した高機能性繊維「Craze-tex®」が、日本のファッションブランド「doublet」に採用され、世界中から注目を浴びています。このコラボレーションは、2025年のパリファッションウィークにおいて披露され、ファッション業界の関係者たちの間で大きな話題を呼んでいます。
FiberCrazeとdoubletのコラボレーション
doubletは、その独自のデザインと革新的な視点で知られるブランドです。デザイナーの井野将之氏が手掛けるこのブランドは、常に新たなアイデアと表現方法を探求しています。今回のコラボレーションは、FiberCrazeがCraze-tex®をdoubletに紹介したことから始まりました。doubletは、その素材に強い魅力を感じ、「この素材でなければ表現できないデザインに挑戦したい」と、作品に取り入れる決断を下しました。
誕生したCraze-tex®は、doubletの独創性をさらに引き立て、ファッションの新しい可能性を切り開いています。特に「DOUBLET AUTUMN WINTER 2025 'VILLAINS'」として発表されたコレクションは、革新素材の持つ特性を存分に活かしたものとなっており、多くの関係者が注目しています。
Craze-tex®の特長と可能性
Craze-tex®は、偶然の発見から生まれた全く新しい繊維素材です。この革新は、プラスチックの欠陥現象(クレーズ)を基にしており、従来の方法では「欠陥」と見なされていたものを、精密にコントロールする技術「ナノ・クレージング技術」によって実現しています。この技術により、繊維に無数の微細な孔を開けることに成功し、虫を寄せ付けず、抗菌性や消臭性を持たせることが可能になりました。
このCraze-tex®は、環境との調和を追求しながら、次世代のラグジュアリー素材としての地位を確立しつつあります。ファッション業界だけでなく、医療や美容、さらには高機能性衣類や産業資材といったさまざまな分野でもその応用が期待されています。
パリファッションウィークでのデビュー
2025年1月21日から26日にかけて開催されたパリファッションウィークでは、Craze-tex®を使用したdoubletの新作が世界の舞台で披露されました。この大きなイベントにおいて、Craze-tex®の革新性とdoubletのデザインが融合した作品は、多くのファッション関係者の記憶に残ることでしょう。
ブランドとデザイナーについて
doubletは、ファッション界において非常にユニークで実験的なアプローチを披露し続けているブランドです。井野将之氏の才能が光るデザインは、2018年にLVMHプライズを受賞したことをきっかけに国際的な舞台でも評価されるようになりました。彼の作品は単なる衣服ではなく、社会や人間に対する深い洞察とユーモアをもたらすものです。
FiberCrazeのビジョン
株式会社FiberCrazeは、2021年に岐阜大学の研究成果を元に設立され、「世界が誇る素材を創る」というミッションのもと、高機能性の防虫、抗菌、消臭素材を開発しています。Craze-tex®の可能性を追求し続ける同社は、ファッションだけでなく、日常生活のさまざまなシーンで活躍する素材を提供することを目指しています。このコラボレーションは、株式会社ロフトワークやFabCafe Nagoyaとの共同プロジェクトから始まったもので、オープンなコラボレーションを通じてクリエイティブな成果を生み出しています。
新たな素材とデザインが生み出す可能性がどこまで広がるのか、FiberCrazeとdoubletの今後が非常に楽しみです。